「マネー講座の会費が数十万円だと言われた。高額すぎないだろうか」
「FPが主催するお金の勉強塾に誘われたけれど、なんとなく怪しい」
そう感じて検索されたのだと思います。その違和感は、正しいです。
投資家JACKと申します。大阪府知事の認可を受けた不動産会社を20年経営し、投資と副業のコミュニティ「コアメンバー」を12年、累計500名を超える方と続けてきました。自分自身も20代で数千万円を騙され、その後は騙された側からの相談を受け続けています。
この記事のもとは、会費が数十万円もするマネー講座の被害相談が続いた2019年に書いた一本です。その内容は2026年のいまもそのまま通用します。今回は誰が誰から報酬を得ているのかという構造、講座で名前が出る商品のその後、受講前の質問リストを足してまとめ直します。
結論|高額マネー講座の是非は「講師の報酬の出どころ」でほぼ決まる
金額が高いか安いかより先に見るべきなのは、その講師が受講料だけで食べているのか、それとも講座の中で紹介する商品の手数料でも食べているのか、です。
ところが、講座の中で特定の金融商品が出てきて、その契約から講師側に報酬が入る仕組みなら、話はまったく変わります。受講料は入口の代金にすぎず、本当の売上はその先の商品にあるからです。数十万円も払ったのに内容が薄いのは、手抜きではなく設計です。
数十万円のマネー講座で、実際に教えられていた中身
ここからは、2019年当時に私のところへ届いていた相談の話です。
高額な会費で募集しているマネー講座があり、FPが主催しているものもありました。位置づけとしては「投資やお金の勉強塾」です。安いもので数万円、高いものでは100万円を超える講座もありました。そして話を聞く限り、そのほとんどが会費のモトすら回収できずに終了していました。
会費のモトどころではありません。何十万円も会費を出して教えてもらえる情報が、次のようなものだったのです。
- ロイヤルロンドン(RL360)やインベスターズトラストの長期積立
- オフショアバンクで高金利定期、という詐欺まがいの案件
- 100万円からできるプライベートバンク、という詐欺の案件
- 富裕層が実践している高金利の海外金融機関に預けましょう、という詐欺まがいの案件
おいおい、と声が出ました。ほとんど詐欺ばかりではないか、と。
この中でまともに存在している金融商品は、ロイヤルロンドンとインベスターズトラストだけです。それにしても、悪質な勧誘で契約させている可能性があります。
そして何より、オフショア積立の話はタダで聞けます。悪徳紹介者やFPがそのあたりで勧誘セミナーを開いているので、話が聞きたいだけなら無料で聞けるのです。数十万円を払って聞く内容ではありません。
なぜ無料で聞ける話に数十万円の値札が付くのか|紹介手数料の構造
無料で聞ける話にわざわざ数十万円の値札が付く理由は、受講料の先に、はるかに大きな報酬があるからです。
契約1件で、紹介者に数十万円が前払いされる
オフショア長期積立の販売現場で広く知られている典型例があります。月5万円で10年積み立てる契約が1本成立すると、紹介者には積立額の10か月分、つまり50万円が販売手数料として支払われるという構造です。月10万円の契約なら100万円、月20万円なら200万円になります。しかも、契約者がまだ数回しか払い込んでいない段階で、前払いに近い形で支払われます。
原資は、契約者がこれから何十年も払い続ける積立金です。契約から18か月から30か月ほどの間に払い込んだお金は「初期口座」と呼ばれる箱に入り、その期間に解約すると返戻金がゼロになる商品もあります。運用される前に、売った人の報酬として先に抜かれているからです。
この構造は【2026年6月最新・暴露】RL360・メティス香港・ドミニオン・インベスターズトラストを未だに勧誘してくる人間は『詐欺師同然』|紹介者コミッション50万円超のカラクリを完全公開で数字まで分解しています。
受講料は「信用」を先に買わせる装置でもある
数十万円を払って席に座った人は、講師を「先生」として見ています。その状態で商品を出されたら断りにくい。無料セミナーで初対面の相手から勧められるより、契約率ははるかに上がります。
私が数千万円を失ったときも、きっかけは「信頼できる人から教わったとおりに動いた」ことでした。
講座で名前が出る商品は、2026年の今どうなっているか
オフショア長期積立(RL360・インベスターズトラストなど)
商品としては存在し続けています。ただし手数料の水準は、日本で普通に買える商品と別世界です。
私の調べでは、RL360は初期口座の残高に年6パーセントの手数料が満期までかかり、ほかに口座管理費が年1.5パーセント、貯蓄口座に年1パーセント、毎月の固定費もかかります。インベスターズトラストの20年プランは、おおむね年2.6パーセントに年120米ドルの固定費です。日本のネット証券で買える株価指数連動の投資信託は、運用管理費が年0.1パーセント前後で販売手数料は無料が標準です。
私自身、2009年にこの手の積立を契約し、10年間、一度も金額を変えずに払い続けました。結果は払い込んだおよそ300万円が、およそ150万円です。売る側に言われたとおりの続け方をして、この結果でした。詳しくはオフショア積立はやめたほうがいい?契約していた私の答えに書いています。
オフショアバンクの高金利定期・100万円からのプライベートバンク
こちらは当時から、私は詐欺まがい、あるいは詐欺の案件だと書いてきました。2026年になっても、この種の話が「富裕層だけが知っている」という売り文句とともに出てくる状況は変わっていません。判断の物差しはシンプルで、日本では絶対に手に入らない特別な商品だ、という言葉が出た瞬間に、その話は終わりです。
変わったのは商品ではなく売り場です。かつてのセミナー会場から、SNSのダイレクトメッセージや個別相談へ移りました。高額な講座は、その個別相談へ人を運ぶ通路にもなっています。
「無料で聞ける話に数十万円」を費用対効果で見る
感情を抜きにして、払う金額と得られるものを並べます。
- マネー講座の会費:数万円から、高いもので100万円超
- 市販の入門書:1冊おおむね1,500円から2,000円
- 生成AIの利用料:月におよそ3,000円
- オフショア積立の勧誘セミナー:無料
仮に30万円の講座なら、本に換算して150冊分を超えます。50万円なら、月3,000円の生成AI利用料をおよそ14年払える計算です。
私は株式やFXのスクールにも通いましたが、聞けた内容の大半は市販の教科書やネットにあることを講師が読み上げているだけでした。直近の運用成績を尋ねたときに返ってきたのは、曖昧な笑顔と「そういう話はちょっと」という言葉です。詳しくは投資スクールは意味ない|50万円払った私が費用相場と本当に必要な学び方を解説に書きました。
さらに、払った金額が惜しくて、おかしいと感じても抜けられなくなるという副作用もあります。高い受講料は、冷静な判断力そのものを削ります。
今日やること|受講前に確認する7つの質問
申し込む前に、これだけ確認してください。ひとつでもはぐらかされたら、それが答えです。
- あなたの収入は受講料ですか、紹介した商品の手数料ですか。嫌がる相手なら、行く必要はありません。
- 講座の中で具体的な金融商品を紹介しますか。その契約であなたに報酬は入りますか。いくらですか。金額まで答えられる人は誠実です。
- 受講料の総額と内訳を、契約前に書面でもらえますか。金額をぼかす相手は避けてください。
- 講師ご自身の直近の運用成績を見せてもらえますか。教えることだけで稼ぐ人に投資を教わる理由はありません。
- 教わる内容のうち、無料の情報や市販の本では学べない部分はどこですか。具体的な答えがなければ、払う理由がありません。
- 支払いにローンや借入を勧めていませんか。借金で払わせようとする時点で、その相手は信用に値しません。
- 特定商取引法に基づく表記で、運営会社・所在地・代表者・返金条件を確認できますか。表記が曖昧な事業者は、トラブルのときに連絡がつきません。
「今日申し込めば割引」「枠は残りわずか」が出たら、その場では決めない
本当に価値のある学びなら、一週間考えても価値は変わりません。急かすのは、考えさせたくないからです。持ち帰って一晩置くだけで防げる被害が、たくさんあります。
すでに契約してしまった場合でも、消費者ホットライン「188」や専門家への相談という道が残っています。一人で抱え込まないでください。
資格と肩書きは「中立」を意味しない
FPには、国家資格のFP技能士や、民間資格のAFP・CFPがあります。ただし資格は知識の証明であって、立場の証明ではありません。保険会社の営業担当者も、銀行の窓口担当者も、証券会社の営業も、FP資格を持っている人はたくさんいます。見るべきは資格ではなく、その人が所属している会社と、収入の出どころです。名刺の裏側、と言ってもいいでしょう。
本を出しているFPだから安心だとか、有名企業でマネーセミナーをやっているFPだから安心だと考えるのは危険です。
会費が数十万円もする価値のないマネー講座を開いてみたり、オフショア長期積立を悪質な勧誘で契約させていたり、投資用ワンルームマンションを紹介したりする。それでFPの存在価値とは何なのか、と私は思ってしまうのです。
次の三つには、十分にご注意ください。
- FPが主催する高額マネー講座
- FPが主催するマネーセミナー
- FPが主催する不動産投資セミナー
もちろん、誠実に仕事をしているFPもいます。相談を「販売」にしないための順番はFPに相談する前に知っておくことにまとめました。行く前に自分の数字を一枚の紙に書き出す。それだけで相手の対応が変わります。
注意点|有料で学ぶことそのものが悪いわけではない
お金を払って学ぶこと自体は、悪いことではありません。問題は払う金額と中身が釣り合っていないことと、契約させるまでの過程に問題のある手法が使われていることです。無料セミナーから個別面談へ呼び、お金がないと言えば借入を勧める。この流れは高額物販スクールでも同じ形で報告されています。
そしてもうひとつ。答えを買おうとしないことです。高い授業料を払えば答えが手に入ると考えている限り、搾取される側から抜けられません。私自身がそうでした。
まとめ|「怪しい」という直感を、質問と数字で裏付ける
- 会費は数万円から100万円超まであるが、私が見てきた範囲では、そのほとんどが会費のモトすら回収できずに終わっている
- 講座の先で紹介される商品には、紹介者へ数十万円単位の手数料が入る構造のものがある
- 資格や肩書き、著書の有無は、その人が中立であることを意味しない
- 確認すべきは「収入の出どころ」「報酬の額」「総額と内訳」「実績」「無料との差」「借入の勧誘」「特商法表記」の7点
資産を増やす前に、まず資産を守るためのマインドセットが必要です。
「高い気がする」「なんとなく怪しい」という直感は、たいてい当たっています。あとは質問と数字で裏付けるだけです。その作業に数日かけたところで、失うものは何もありません。
副業・投資の判断に迷ったら
私は数千万円を騙された経験と、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営してきた立場から、副業と投資の「本物と偽物」を見極める物差しをお伝えしています。
※販売・勧誘・譲渡のお取次は一切行っていません。
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