今この瞬間も、SNSのDM、知人からの紹介、セミナー集客、海外駐在員コミュニティ
——あらゆる経路で、RL360(ロイヤルロンドン)・メティス香港(Metis Global)・ドミニオン(Dominion Capital Strategies)・インベスターズトラスト(Investors Trust)といったオフショア長期積立を勧めてくる人間がいます。
結論から書きます。
2026年の今、これらのオフショア積立を日本人に勧誘してくる人間は、ほぼ例外なく詐欺師同然です。
少なくとも、勧誘される側にとって合理性のある提案ではありません。
「日本の保険会社より利回りがいい」
「ドル建てで増える」
「将来の年金代わりになる」
——耳触りの良い言葉の裏側には、手数料の異常な高さと紹介者に流れる巨額のコミッションが同居しています。
誰が得して誰が損するかは、構造を見れば一目瞭然です。
長年の資産形成の経験から、被害相談を受け続けてきた立場として、
2026年最新の手数料データと紹介者報酬の仕組みを、改めて整理してお伝えします。
なぜ今もこのオフショア積立が日本で売られ続けるのか
本題に入る前に、根本的な疑問を整理します。
「そんなに不利な商品なら、なぜ売られ続けるのか」
——答えはシンプルです。売る側が圧倒的に儲かる仕組みになっているからです。
日本国内の投資信託・iDeCo・新NISAの販売手数料は、2026年現在ほぼゼロ〜数%が一般的です。
ところがオフショア長期積立は、契約者が30年支払う総額の中から、紹介者と取次IFAに10か月分〜2年分相当の販売手数料が前払いされる構造になっています。
月5万円の30年契約なら、契約額は1,800万円。
紹介者の懐には数十万〜200万円超が、契約成立の瞬間に転がり込みます。
しかも、紹介者がさらに別の販売員に橋渡しする階層的なネットワーク構造になっているケースも多く、上位の紹介者にも分配が流れます。
要するに、契約者の積立金が、運用される前に「紹介者・取次IFA・元締IFA」へと分配される仕組みです。
これは投資ではなく、本質的にネットワーク販売の構造に近いと言えます。
RL360(ロイヤルロンドン)の手数料【2026年最新】
マン島籍のRL360は、日本人向けオフショア積立の代表的な存在です。
手数料体系を整理します。
第一に、初期口座への高額な手数料
契約初期の18〜24か月分の積立金は「初期ユニット」として隔離され、この残高に対して年6%もの初期ユニット手数料がかかります。これが満期まで続きます。
第二に、口座管理費として年1.5%
第三に、貯蓄口座のマネジメントフィーとして年1%
第四に、貯蓄口座の月額固定費として月7.5USドル
(積立停止時は月11.25USドルに増額)
さらに最大の落とし穴が、初期口座期間中の解約は『返戻金ゼロ』という規定です。
「3年続ければ大丈夫」と説明されて入った契約者が、ライフイベントで2年目に支払い不能になり、これまで積み立てた数百万円が一円も戻ってこない
——という相談は、本当に後を絶ちません。
メティス香港(Metis Global)の手数料【2026年最新】
香港籍のMetis Global Limitedは、ファンド・オブ・ファンズ型のオフショア積立を提供しています。
主な手数料は、契約手数料が月7USドル、貯蓄口座残高に対する管理手数料が年1.44%、そして初期口座残高に対する口座管理手数料が年4.8%。
クレジットカード決済の場合は決済額の1%が別途加算されます。
注意すべきは、メティスの取次IFAが事実上『アテナベスト』に独占されている点です。つまり契約者は紹介者と取次先を選ぶ余地がなく、サポート品質が紹介者個人の力量に完全依存します。
さらに、ネットワークビジネスの『商材』としてメティスが採用されている事例も報告されており、まったく金融の専門知識を持たない素人が「メティス一択」と勧めてくるケースが少なくありません。
金融商品を売るのに金融庁の登録がない素人が紹介料目当てで動いている時点で、
契約者にとっての公平性は最初から成立していません。
ドミニオン(Dominion Capital Strategies)の『手数料が安い』の落とし穴
ガーンジー島籍のドミニオンは、
「初期口座制度がない」
「中途解約のペナルティが低い」
「手数料が比較的安い」
という売り文句で勧誘されています。
確かに表面上の管理手数料は1.15〜2.65%とされており、
RL360やインベスターズトラストよりは低く見えます。
しかし、2026年現在、まともなネット証券で買えるS&P500連動の投資信託は信託報酬0.1%前後です。
ドミニオンの『安い』は、あくまで他のオフショア積立と比べた話であって、
日本の一般的な投資商品から見れば依然として高コストの部類に入ります。
さらに2026年2月からは、ドミニオンの選択ファンドにビットコインETFが追加されました。
販売現場では「最新のテーマに乗れる」と謳われていますが、暗号資産の高ボラティリティ商品が長期積立の中核に据えられること自体、商品設計として合理的とは言いにくいものです。
「初期口座がないから安心」というセールストークだけで判断するのは、私の立場からは到底お勧めできません。
インベスターズトラスト(Investors Trust)の『元本保証』の真相
ケイマン諸島籍のインベスターズトラストは、
「S&P500インデックスプラン」
「20年満期で元本160%保証」
といったキャッチコピーで日本市場に浸透しています。
一見魅力的に見えますが、手数料の中身を分解すると景色が一変します。
20年プランの手数料は、年間管理手数料1.1% + ストラクチャー手数料1.5% + プラン手数料120USD
合計で年2.6%+120USDが毎年差し引かれ続ける構造です。
S&P500の長期平均年利は7〜8%前後とされていますが、ここから手数料2.6%を引けば、実質リターンは年4.4〜5.4%程度まで圧縮されます。
そして「元本160%保証」の正体は、20年間一度も解約せず、満期まで全額拠出を続けた場合に限って元本の60%上乗せが保証されるというものです。
途中解約すれば保証は消失し、満期前の引き出しには厳しい条件が課されます。
さらに紹介者からは「初期口座2年だけ積み立てて、その後は支払いを止めれば良い」という商品設計を無視したアドバイスが横行しており、
これに従った契約者の多くが手数料負けして泣きを見ています。
紹介者コミッションのカラクリ|誰が得して、誰が損するか
ここが本記事の核心です。
各社の販売現場で実際に流れている報酬の中身を見れば、
なぜ素人レベルの紹介者がここまで熱心に勧誘するのかが一発で理解できます。
たとえばインベスターズトラストの典型例として広く知られているのが、月5万円・10年積立の契約に対し、紹介者には積立額10か月分(=50万円)が販売手数料として前払いされる構造です。
月10万円なら100万円、月20万円なら200万円。
契約者がまだ1円も運用されていない段階で、
紹介者の口座には数十万〜数百万円のキャッシュが入金されるのです。
この手数料の原資はどこから来ているか。
当然、契約者が30年支払い続ける積立金から、初期口座という形で先取りされています。初期口座期間中の積立金の大部分は『運用ではなく紹介者報酬の原資』として消えていく
——これが、初期口座中に解約すると返戻金ゼロになる構造的な理由でもあります。
得する人:紹介者、取次IFA、元締IFA、商品提供会社。
損する人:契約者だけ。30年間、自分のお金が他人の報酬を生み続け、自分の手元に戻る頃にはインフレと手数料で削られた残骸が残るだけ
——これが、私が一貫して
『日本人にとっての合理性は皆無』と言い続けている根拠です。
2026年に勧誘してくる人間が『詐欺師同然』と断言する5つの理由
厳しい言葉だと自覚した上で、敢えて『詐欺師同然』と書く理由を5つ挙げます。
第一に、日本国内で金融商品取引業の登録なしに勧誘することは金融商品取引法違反であり、無登録業者・無登録個人によるオフショア積立のあっせんは違法行為です。
違法と知りつつ勧誘を続けているなら、それは詐欺の構成要件に限りなく近づきます。
第二に、手数料の本当の数字を契約者に開示していない。
年6%の初期ユニット手数料、年2.6%+固定費の総コスト、紹介者報酬の金額——これらをすべて事前説明している紹介者は、私が見てきた範囲ではほぼ皆無です。
第三に、日本にはもっと低コストで合理的な選択肢が存在する。
新NISA、iDeCo、ネット証券のインデックス投信、これらを使えば信託報酬0.1%前後でS&P500にもオールカントリーにも投資できます。
わざわざ年2〜6%の手数料を払って海外籍の不透明な商品に拠出する合理的な理由がないのです。
第四に、商品設計と実際の運用アドバイスが矛盾している。
「初期口座2年だけ積み立てて止めれば良い」というアドバイスは、契約者の利益ではなく紹介者のコミッション最大化のためのものです。
商品設計上、初期口座中の停止は明確に不利になります。
第五に、2026年現在も同じ勧誘を続けている時点で、過去の被害事例から学んでいない、あるいは学んだ上で無視している。
スターリングハウストラスト、クリアースカイ、フレンズプロビデント放置者の悲劇——これらの先例を見ても勧誘を止めない人間に、契約者保護の意識があるとは到底思えません。
すでに契約してしまった人がやるべきこと
過去にこの手のオフショア積立に入ってしまった方も多いはずです。
慌てる必要はありませんが、放置は最悪です。冷静に、以下の手順で現状を整理してください。
まず、契約書類を全て揃え、商品名・契約日・初期口座期間・現在の解約返戻金・残存期間を紙に書き出すこと。
次に、金融庁登録のある独立系IFAに『移管・解約相談』をする。当初契約した紹介者にそのまま相談しても、解約を止められるだけで前進しません。
必ず利害関係のない第三者に相談するのが鉄則です。
そして判断軸として、契約してから5年未満なら継続より解約の方が不利なケースが多く、10年以上経過しているなら解約も合理的な選択肢、15年以上なら解約のメリットがデメリットを上回る場合が多いとされています。
『沈没費用を取り戻したい』という心理が一番危険です。
今までの損は今までの損として、
今この時点から先のキャッシュフローを最適化する判断に切り替えてください。
まとめ|2026年、オフショア長期積立は『勧める方が問題』の時代に
かつて、日本の金融商品が貧弱で為替も今と違った時代には、オフショア積立に一定の合理性があったかもしれません。
しかし、新NISA・iDeCo・低コストインデックス投信が当たり前になった2026年の日本において、年2〜6%もの手数料を払うオフショア長期積立を一般の方に勧める理由は、もはや何一つ残っていません。
それでもなお、2026年の今この瞬間に「節税になる」「ドル建てで増える」「年金代わりになる」と勧誘してくる人間がいるならば、その動機は契約者の利益ではなく、自分の懐に入る数十万〜数百万円のコミッション以外にありえません。
誰が得して、誰が損するか。
手数料の数字と紹介者報酬の構造を並べれば、答えはどう見ても一つです。
SNSのDM、知人からの『いい話があるんだけど』、海外駐在員コミュニティの『みんなやってる』、結婚式の二次会で隣の席になった元同期の名刺
——どんなチャネルから来ても、結論は変わりません。
「2026年にこれを勧めてくる人間からは、距離を取る」
これが、長年の経験から導き出した最も明確な答えです。
付け加えるなら、過去に契約してしまった方ご自身を責める必要はありません。
巧妙に設計された販売トーク、人間関係を使った静かな圧力、複雑すぎる手数料体系——これらを契約時点で全部見抜くのは、よほどの金融リテラシーがないと難しいのが現実です。
問題は、勧めた側にあります。
気付いた時点から手を打てば、損失の拡大は必ず止められます。
そして今後新しく勧誘を受けるかもしれない方へ。
『日本では絶対に手に入らない特別な商品』というセールストークが出てきた瞬間に、その話は終わりです。
2026年の日本には、新NISA・iDeCo・ネット証券の低コスト投信という、世界的に見ても十分以上に優秀な選択肢が揃っています。
これらを差し置いて高額手数料のオフショアを選ぶ合理的な理由は、紹介者の財布の中以外には存在しません。
※本記事は一般的な情報提供および筆者の見解を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
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