「円安はいつまで続くのですか」
この質問を、私はここ数年ずっと受け続けています。スーパーの値札が上がり、電気代が上がり、旅行も海外製品も高くなった。それでも給料はほとんど変わらない。だから多くの方が、いつになったら元に戻るのかを知りたがっています。
先に私の結論を書きます。円安は「一時的な出来事」ではなく、日本の構造から生まれている流れです。数カ月で元に戻るものではありません。私は将来的にドルが200円を超えると考えているくらいです。もちろんこれは私の見立てであって、為替の予想が外れることは当然あります。
私は投資家として20年以上、大阪府知事の認可を受けた不動産会社を20年経営しながら、投資と副業のコミュニティ(コアメンバー)を運営して12年目になります。その前には、数千万円を騙された経験もあります。だからこそ、為替の話を「評論」で終わらせるつもりはありません。この記事では、円安が続く理由を段階を追って説明したうえで、個人が今日からできる現実的な対策までを書きます。
結論:円安がすぐに終わらないと私が考える理由
円安が終わるとしたら、次のどれかが起きる必要があります。
- 日米の金利差が大きく縮まる(アメリカが十分に金利を下げるか、日本が大幅に金利を上げる)
- 日本の貿易赤字が黒字に転じ、実際のドル買いが減る
- 日本円そのものの信用が回復する
ところが、この3つはどれも簡単には起きません。日本は金利を大きく上げられない事情を抱えていますし、貿易赤字やデジタル赤字(海外のITサービスに支払うお金)は実際の生活の中で毎日発生しています。だから私は、円安ドル高の流れは当面続くと見ています。
そして、もうひとつ言っておきたいことがあります。私は2024年の時点で「1ドル120円の世界など、もう一生見ることはない」と書きました。海外のアナリストの中には120円まで戻ると予想していた人もいましたが、私の考えは今も変わっていません。
なぜ円は売られ、ドルは買われ続けるのか
1. 日米の金利差
いちばん大きいのがこれです。アメリカは物価上昇(インフレ)を抑えるために金利を上げてきました。一方の日本の金利は、ずっと低い水準にとどまっています。
お金は、金利の低いところから高いところへ流れます。少しでも高い利回りを求める資金が日本からアメリカへ出ていけば、円が余ってドルが足りないという状態になります。これが為替レートを円安に押し下げます。
2. 米ドルが「安全資産」になっている
いまの世界経済では、米ドルが安全資産としての地位を確立しています。自国の通貨より安定した米ドルを持っておきたい国や企業が多く、その需要が円安ドル高をさらに押し進めています。
3. 日本人自身がドルを買っている
意外と語られないのがこれです。日本企業や個人投資家からのドル買い需要は非常に強い。新しいNISA制度を通じた投資も、その多くは海外の資産へ向かいます。つまり円を売ってドルに換える動きが、日本の中から毎月自動的に発生しているわけです。
4. 貿易赤字とデジタル赤字
エネルギーや食料を輸入すればドルを買うことになります。海外のクラウドやSNS、動画配信に毎月お金を払えば、それもドル買いです。投機ではなく実際の支払いとしてドルが必要になっているため、この部分は相場の雰囲気では止まりません。
なお、NISAについては非課税の枠組みそのものが将来どうなるかという論点もあります。私は、いずれNISAも間接的に課税される可能性があると考えています。
為替介入では円安は止まらない(2022年に見た現実)
「政府が為替介入すれば円安は止まるのでは」と考える方がいます。私の答えははっきりしています。止まりません。
2022年10月、為替介入の効果も虚しく、ドル円は32年ぶりの安値水準を突破しました。当時、1ドル120円を超えたあたりから「行き過ぎた水準だ」と言われていましたが、実際にはそこからさらに円安が進みました。あの頃にドルを仕込んでいれば、当時の水準で20%は取れていた計算になります。
私はその時点で、今後も為替介入は間違いなく入るけれども、効果は一時的であり、むしろ円安を伸ばすことになると書きました。金持ち国と言われる日本が豊富な外貨資産を使って介入したところで、金融政策とファンダメンタルズ(経済の基礎的な条件)には逆らえないからです。ドル円が150円を超えるのは時間の問題だと考えていましたし、実際そうなりました。
介入が効かない理由はシンプルです。市場参加者が、その介入を持続的な変化だと受け取っていないからです。短期的には値が動きますが、根っこにある金利差や実需が変わらない以上、時間が経てば元の流れに戻ります。
日銀が動いても円安が止まらなかった2回の場面
2024年3月:マイナス金利撤廃でも円安が進んだ
日銀がマイナス金利を撤廃しました。教科書どおりなら円高になる材料です。ところが為替市場ではすでに織り込み済みだったため、逆に円安が進行しました。
さらに問題だったのは、マイナス金利を撤廃しておきながら緩和は継続するという、分かりにくい状態が続いたことです。この結果、通貨としての円は世界から信用されなくなってしまったと私は見ています。
2025年1月:追加利上げでも円は買われなかった
日銀が追加利上げを発表し、政策金利は0.25%から0.5%になりました。日銀は利上げの理由を「物価高と円安を抑えるため」と説明しましたが、円安はまったく止まりませんでした。
発表の数日前には各報道機関から利上げ決定のリークが出ていたにもかかわらず、1ドルは156円のまま。利上げ発表と総裁会見で一時は154円まで下がったものの、その後はずるずると円が売られ、156円寸前まで戻りました。
利上げをしても円が買われない。これは相当に重い事実です。市場は、日銀がこれ以上は利上げできないと見透かしているのだと思います。この利上げで日銀が保有する国債の含み損は22兆円を超えたと言われており、年内にもう1回の利上げが本当にできるのかと疑問視されていました。
そのうえでアメリカの利下げが十分に行われなければ、日本は深刻な物価高と円安に悩まされることになります。私は当時、2025年末に1ドル180円を超えていても何ら不思議ではないと書きました。日本円の価値は下がり続けるという見立てです。
日本が金利を大きく上げられない本当の理由
「日本も金利を上げれば円高になるじゃないか」という声はもっともです。実際、金利を引き上げれば一時的に円の価値は上がるかもしれません。しかし副作用が大きすぎるのです。
金利を上げたときに起きること
1. 住宅ローンの負担が直接増える。多くの家庭が変動金利で借りているため、返済額の増加は家計を直撃し、消費の冷え込みを招きます。
2. 日本政府自身が抱える巨大な借金の利息支払いが増える。最悪の場合、国の財政が立ち行かなくなるリスクがあります。
3. 日銀が保有する国債の含み損がさらに膨らむ。2025年1月の利上げ時点で22兆円超と言われていました。
つまり日本は、円安を止めたくても止める手段が実質的に限られています。ここが、他国の通貨安とは決定的に違う点です。住宅ローンの負担が具体的にいくら増えるのかは、変動金利が上がったら住宅ローンは毎月いくら増える?で数字を並べて解説しています。金利のニュースを他人事だと思っている方こそ読んでみてください。
円安が家計に何をもたらすか
円安の危険性は多岐にわたります。分かりやすいところから並べます。
- 輸入品の価格が上がり、生活費が増える
- 特に食料品とエネルギーコストが上がり、家庭の負担が増大する
- 企業の収益にも影響が及び、経済全体の活力が低下する恐れがある
賃上げが話題になりますが、上がった分は物価高と社会保障の負担で消えていきます。円安とインフレが続く以上、物価上昇は今後も続きます。本業以外に収入を作らないと、生活は貧しくなっていく一方だというのが私の実感です。
この構図は、私が数年前から書いてきたいよいよ日本でもスタグフレーションが始まる、そしてスタグフレーション対策は収入を増やすことという話とまったく同じです。景気が良くならないまま物価だけが上がる状態では、節約だけでは追いつきません。値上げの現場で何が起きているかはトランプ関税1年で何が変わった?2026年4月値上げラッシュと個人投資家の生活防衛術にまとめました。
個人ができる円安対策は3つある
ここからが本題です。円安を嘆いても、政治批判をしても、あなたの生活は1円も良くなりません。私やコアメンバーの仲間は、トレードや外貨での副収入でヘッジをしているため、円安が進んでも困らない体制を作ってきました。個人ができることは、大きく3つに整理できます。
対策1:資産の一部を米ドル建てにする
円だけで資産を持っているということは、日本円という1つの通貨に全額を賭けているのと同じです。より安定した価値を持つ通貨である米ドルへ資産の一部を移しておけば、円安が進んでも資産価値の目減りを抑えられます。
2022年当時は、世界で最も信用できる通貨である米ドルで預けておくだけで、為替差益というキャピタルゲイン(値上がり益)を期待しながら年利4%の利息まで受け取れる状況がありました。金利の水準は時期によって変わりますので、現在の条件は必ずご自身で確認してください。低金利の国内金融商品を無理に選ぶ理由はないというのが、当時からの私の考えです。
対策2:外貨で稼げる収入の柱を作る
資産形成と同じくらい、いや、それ以上に大事なのが「収入の柱形成」です。米ドルを収益源とする副業を持てば、円安が進むほど円換算の手取りは増えます。守りだけでなく攻めに転じられるのはここです。
私自身、チャンスだと判断したときにはすぐに始めましたし、多くの仲間も取り組んできました。誰でも簡単に取り組めて成果の出る副業を幾つも重ね、収入を数万円から数十万円上乗せしていく。地味ですが、これが最も再現性のある対策です。
対策3:投資先の選び方を変える
日本株に投資するなら、内需だけのビジネスは成長が見込めません。インバウンド、輸出、海外シェアが大きい企業を選ぶべきです。保険商品も、万が一の保障と資産形成がセットになっている外貨建ての海外保険商品という選択肢があります。株式や為替のトレードも、正しく学べば十分にヘッジの手段になります。
※投資や副業の成果は保証できるものではありません。為替も金利も動くものですので、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。税金の扱いについては税理士または税務署に必ず確認してください。
円安対策として私が勧めないもの
逆に、円安を理由に手を出してほしくないものも書いておきます。
ひとつはワンルームマンション投資です。投資商品として最低最悪だと私は考えています。利回りが低いうえに大きく損をする方を、不動産会社を経営してきた立場から何人も見てきました。インフレ対策という言葉で勧誘されても、絶対に手を出さないでください。
もうひとつは、円安を煽って高額な商品を勧めてくる相手です。「このままでは日本円は紙くずになる」と不安を煽り、その流れで高額な金融商品や情報商材を勧めてくる。私が数千万円を騙されたときも、入り口はこの手の危機感の演出でした。危機感が正しいことと、その相手が勧める商品が正しいことは、まったく別の話です。
まとめ:円安はいつまで続くのか、そして何をするか
為替レートは多くの経済的、政治的な要因に左右されます。ですから「何年何月に終わります」と言える人は誰もいません。私が言えるのは、金利差と実需という構造が変わらない限り、円安ドル高の流れは当面続くということだけです。
だからこそ、終わる時期を当てにいくのではなく、円安が続いても困らない形に自分の家計を作り替えるほうが確実です。今日からできることを整理します。
- いま自分の資産が何%円建てなのかを書き出す
- 資産の一部を外貨建てに移す計画を立てる(一度に全部は動かさない)
- 本業以外の収入の柱を1本作る。できれば外貨で稼げるもの
- 変動金利で住宅ローンを借りているなら、金利が上がった場合の返済額を試算しておく
- 不安を煽って商品を勧めてくる相手からは距離を取る
辛いと言ったり、政治を批判しているだけでは何も変わりません。個人でできる対策はたくさんあります。トレードも副業も何もしていないのなら、それは自分の責任です。今からでもできることは必ずあります。対策を講じて、円安に立ち向かいましょう。
副業・投資の判断に迷ったら
私は数千万円を騙された経験と、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営してきた立場から、副業と投資の「本物と偽物」を見極める物差しをお伝えしています。
※販売・勧誘・譲渡のお取次は一切行っていません。







