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新NISA成長投資枠×高配当株|株式数比例配分方式の設定ミスで課税される落とし穴

「新NISAの成長投資枠で高配当株を買ったのに、配当金から税金が引かれていました」

 

この相談を、私は本当に何度も受けてきました。証券口座の画面を一緒に確認すると、原因はほとんど同じです。配当金の受取方式が「株式数比例配分方式」になっていないのです。

 

新NISAの成長投資枠は、正しく使えば配当金をまるごと非課税で受け取れる制度です。ところが受取方式の設定を一つ間違えているだけで、通常の口座と同じように20.315%が引かれてしまいます。制度を使っているつもりで、使えていない状態です。

 

私は投資副業サロン(コアメンバー)を12年目になるまで運営してきましたが、この設定漏れは初心者だけの話ではありません。投資歴が長い方でも、口座を作ったときのまま放置していて課税されていた例を何件も見ています。

 

この記事では、新NISA成長投資枠で高配当株を持つときに、配当金を確実に非課税で受け取るための設定と、銘柄選びのポイント、私自身が成長投資枠でやっていることまでをまとめます。まず結論から書きます。

結論|成長投資枠の配当を非課税にする条件は2つだけ

新NISAの成長投資枠で受け取る配当金を非課税にするために必要なのは、次の2つだけです。

 

  • その株をNISA口座(成長投資枠)で買っていること。課税口座で買った株をあとからNISA口座へ移すことはできません。
  • 配当金の受取方式が「株式数比例配分方式」になっていること。証券口座の設定画面から変更します。

 

逆に言うと、この2つのうちどちらか片方でも欠けていれば、配当金には通常どおり20.315%(所得税15.315%+住民税5%)がかかります。銘柄選びよりも先に、まずここを確認してください。

 

先に一つだけ確認してほしいこと

いま証券会社のアプリを開いて、「配当金受取方法」または「配当金受領方式」の設定を見てください。そこが「株式数比例配分方式」以外になっていたら、NISA口座で持っている株の配当も課税されています。銘柄の話はそのあとで十分です。

新NISAの成長投資枠とは|買える商品と非課税の仕組み

2024年1月から始まった新NISAには、大きく2つの投資枠があります。

 

  • つみたて投資枠:年間120万円まで。長期・積立・分散投資に適した投資信託のみが対象です。
  • 成長投資枠:年間240万円まで。個別株・ETF(上場投資信託)・投資信託など幅広い商品に対応します。

 

生涯投資枠の合計は1,800万円で、そのうち成長投資枠として使えるのは最大1,200万円です。旧NISAと比べて枠が大きく、長期の資産形成においてきわめて有利な制度になりました。

 

そして最大のポイントは、非課税期間が無期限になったことです。旧NISAでは一般NISAが5年、つみたてNISAが20年という制限がありましたが、新NISAではその制限がなくなりました。つまり、一度成長投資枠で高配当株を買えば、その後はずっと配当金を非課税で受け取り続けられるということです。

 

新NISAの制度全体の使い方や、1,800万円の枠を埋めるまでの年数のシミュレーションについては、【2026年最新】新NISA完全ガイド|副業収入で1,800万円の非課税枠を最速で埋める方法でまとめています。この記事は、その中の「成長投資枠で高配当株を持つ」部分を深掘りしたものだと考えてください。

成長投資枠で買える商品・買えない商品

成長投資枠では、次の商品を買えます。

 

  • 国内上場株式(個別株)
  • 外国上場株式(米国株など)
  • 国内ETF・REIT(不動産投資信託)など
  • 投資信託(一部条件あり)

 

一方で、整理・監理銘柄(上場廃止のリスクがあるとして市場が指定した銘柄)や、信託期間が20年未満の投資信託などは対象外です。高配当株を選ぶときは、そもそも財務が安定した企業を選ぶ必要があります。

なぜ今、高配当株が注目されているのか

2026年現在、日本株の高配当株への注目度はかつてないほど高まっています。理由は大きく3つあります。

理由1 インフレ時代のインカムゲイン強化

物価上昇が続くなか、銀行預金の利息だけでは資産が実質的に目減りしていきます。配当利回り3〜5%以上の高配当株には、インフレに対する一定のヘッジ効果(目減りを和らげる働き)があります。さらにNISAを使えば、通常20.315%かかる税金がゼロになるため、手取りの配当がそのまま増えます。

理由2 日本企業の株主還元意識が向上した

東京証券取引所(東証)の要請により、PBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業への改善圧力が続いています。その流れで、多くの日本企業が増配や自社株買いといった株主還元策を積極的に行うようになりました。高配当を狙う投資家にとっては追い風です。

理由3 成長株一辺倒の不安定さ

2025年以降、米国株市場はボラティリティ(価格の振れ幅の大きさ)が増しています。高成長・高リスクの成長株だけでは資産が安定しないと感じた投資家が、安定した配当収入を生む高配当株へ資金を移す動きが加速しました。

株式数比例配分方式とは|ここを間違えると課税される

ここからが本題です。まず、設定を間違えたときにいくら損をするのかを見てください。

 

条件NISA口座(非課税)課税口座
投資額500万円500万円
配当利回り4%4%
年間配当(税引き前)20万円20万円
税金0円約40,630円
手取り配当20万円約159,370円

 

年間で約4万円以上の差です。10年間持ち続ければ40万円を超えます。この差が、受取方式の設定という数分の作業だけで決まってしまうわけです。

配当金の受取方式は3種類ある

上場株式の配当金の受け取り方には、大きく3つの方式があります。

 

  • 株式数比例配分方式:保有株数に応じて、証券口座に直接配当金が入金されます。これがNISAの非課税を受けられる唯一の方式です。
  • 登録配当金受領口座方式:指定した銀行口座やゆうちょ口座に、すべての銘柄の配当金がまとめて振り込まれます。NISA口座で持っていても課税されます。
  • 個別銘柄指定方式:銘柄ごとに受け取る銀行口座を指定する方式です。これもNISA口座で持っていても課税されます。

 

配当金領収証を郵送で受け取り、郵便局の窓口で現金化する方式を使っている方も、同じく非課税にはなりません。

 

この設定は、証券会社の口座設定画面から変更できます。楽天証券・SBI証券のどちらでも同様の設定が必要です。なお、一般的にこの受取方式は証券会社ごとに別々ではなく、その方が保有するすべての証券口座に同じ方式が適用される仕組みになっています。複数の証券会社を使っている方は、変更したときに他社の口座の扱いがどうなるかも含めて、必ず利用中の証券会社に確認してください。

私が現場で見てきた、よくある3つの取り違え

相談を受けてきたなかで、繰り返し出てくるパターンが3つあります。

 

  • 「NISA口座で買えば自動的に非課税」と思い込んでいる。値上がり益は非課税になりますが、配当金は受取方式次第です。ここが分かれ目です。
  • 設定したつもりで反映されていない。申込みをしただけで確定していなかった、家族名義の口座だけ古い設定のままだった、というケースです。画面で現在の方式が何と表示されているかを目で確認してください。
  • ETFやREITの分配金も同じだと知らない。国内ETFやJ-REITの分配金も、非課税で受け取るには株式数比例配分方式が前提になります。個別株だけの話ではありません。

今日やること|設定の確認手順

難しい作業ではありません。5分あれば終わります。

 

  • 証券会社のサイトかアプリにログインする
  • 「口座管理」「お客様情報」などの中から「配当金受取方法」の項目を開く
  • 現在の方式が「株式数比例配分方式」になっているかを確認する
  • 違っていれば変更を申し込み、変更後にもう一度表示を確認する
  • NISA口座を持つ家族がいれば、その口座も同じように確認する

 

変更のタイミングに注意

一般的に、受取方式の変更手続きには反映までの時間がかかります。権利確定日(配当を受け取る権利が決まる日)に間に合わなければ、その回の配当は変更前の方式のまま扱われることがあります。いつから反映されるのかは証券会社によって案内が異なりますので、変更を申し込むときに必ず確認してください。

また、税金の取り扱いは個別の事情で変わります。最終的な判断は税理士か税務署に確認してください。

高配当株の選び方|押さえるべき5つのポイント

設定が終わったら、次は銘柄選びです。「配当利回りが高いから」という理由だけで選ぶのは危険です。長年の投資経験から、私は次の5つを確認することをおすすめしています。

1 連続増配・安定配当の実績があるか

「過去10年以上、一度も減配していない」「毎年増配を続けている」という企業は、それだけ財務が安定していて、株主への還元意識が高い証拠です。連続増配年数が10年以上の銘柄は特に注目に値します。

2 配当性向が高すぎないか

配当性向とは、利益のうちどのくらいを配当として払っているかを示す指標です。配当性向が80〜90%を超えている企業は、利益が少し落ちただけで減配のリスクが高まります。一般的には30〜60%程度が健全とされています。

3 業種の安定性

景気の波に左右されにくい業種(インフラ、通信、食品、金融など)の高配当株は比較的安定しています。一方で、景気敏感業種(鉄鋼・海運・資源など)は業績の変動が大きく、配当が不安定になりやすい点に注意が必要です。

4 自己資本比率・財務の安定性

自己資本比率が高い企業は、不況期でも安定して経営を続けやすくなります。自己資本比率40%以上が一つの目安です。有利子負債(利息を払う借入金)が多い企業は、金利が上がる局面でコストが膨らむリスクを抱えます。

5 PBR・PERのバリュエーション

割高な株価で買ってしまうと、株価下落のリスクが高くなります。高配当でありながらPBR(株価純資産倍率)が1倍前後、PER(株価収益率)が10〜15倍程度の銘柄は、割安株投資の観点からも魅力的です。

私が成長投資枠で実際にやっていること

ここは私自身の方針です。個別銘柄をおすすめするものではありませんが、考え方の参考にはなると思います。

 

成長投資枠は、配当収入が見込める高配当株ETFを中心に組んでいます。つみたて投資枠には毎月一定額を積み立てて長期の土台を作り、成長投資枠では毎年のキャッシュフロー(毎月入ってくるお金)の確保を意識する、という役割分担です。個別株だけで組むと、その企業の決算一つで配当が揺れます。ETFを軸にすると、そこがかなり平らになります。

 

株主優待を目的にした売買はしません。私は以前、知人に誘われてマクドナルドやすかいらーく、吉野家といった優待で有名な銘柄を買ってみたことがあります。数千円から数万円分の無料食事券は届きましたが、そもそも私はそれらの店に年に数回行くかどうかです。結局ほとんど使わないまま期限が近づき、田舎の家族や友人にあげることになりました。これでは何のために買ったのか分かりません。優待券のある店が生活の中心になるのは、私の望む形ではないのです。この話は株主優待目的の株取引には興味なし。生活のリズムを優待に左右されたくないに詳しく書いています。

 

下がった局面で買います。2024年9月末、石破総裁の就任で日本株が大きく下げた日も、私はせっせと買っていました。投資リテラシーが低い人はあの下げを「ショック」と呼び、株式投資で稼げる人は「ご祝儀相場」と呼ぶ。下げるたびに悲観するなら、そもそも投資には向いていません。

 

投資に回す原資は、副業で作ります。年間240万円の成長投資枠を給与収入だけで埋めるのは、多くの方にとって現実的ではありません。副業で月3万円でも作れれば、投資に回せる金額はまるで変わります。私が12年目になるコアメンバーで一貫してお伝えしてきたのは、一発を狙うのではなく、複数の仕組みを組み合わせてコツコツ積み上げるという考え方です。

 

なお、成果を保証するものではありません。株式投資は元本が保証されない商品です。最終的な投資判断はご自身で行ってください。

2026年に注目されている高配当株・ETFとポートフォリオの組み方

以下は、2026年時点で注目度の高い高配当銘柄・ETFの例です。投資推奨ではありませんので、判断はご自身で行ってください。

日本株(個別銘柄の例)

  • JT(日本たばこ産業)【2914】:配当利回り約5〜6%台。安定した配当実績を持つ高配当の代表格。
  • 三菱HCキャピタル【8593】:25年以上の連続増配を継続中。利回りは約3〜4%。
  • KDDI【9433】:通信インフラの安定収益を背景に連続増配が続く。
  • 三菱UFJフィナンシャル・グループ【8306】:金利上昇の環境で収益改善が続く大手銀行株。
  • 東京海上ホールディングス【8766】:損保最大手。継続的な増配と自社株買いが特徴。

高配当ETF(成長投資枠に対応)

  • 日経平均高配当利回り株ファンド(1577):日経平均採用銘柄から高配当株を厳選。分散効果が高い。
  • NF・日本高配当株アクティブETF(2080):アクティブ運用で高配当株を選定。
  • グローバルX MSCIスーパーディビィデンド日本株ETF(2564):毎月分配型で配当収入を月次で受け取れる。

 

個別株は高いリターンが期待できる反面、その企業だけが抱えるリスクがあります。リスク分散の観点から、個別株とETFを組み合わせるのが現実的です。

成長投資枠240万円の配分例

カテゴリ配分割合例
日本高配当株(個別)40%JT・KDDI・三菱UFJなど
日本高配当ETF30%1577・2080など
米国高配当ETF20%VYM・HDVなど(円建てETF経由も可)
REIT(不動産投資信託)10%J-REIT系ETF

 

年間の配当目標を「投資額×3.5〜4%」で設定し、生涯投資枠を活かして着実に積み上げていくのが基本です。たとえば成長投資枠600万円を高配当株に投資できれば、年間配当は21〜24万円(月1.7〜2万円)の水準になります。

 

NISAの枠にこだわらず、月3万円の配当をゴールに据えたときの積み上げ方や、国・セクター・銘柄の3階層で分散するルールの作り方は、月3万円の配当金を目指す!日本の高配当株投資完全ガイドで詳しく書いています。この記事が「制度の使い方」あちらが「配当額の作り方」という役割分担です。あわせて読むと全体像がつかめます。

注意点とリスク|「高配当だから安全」は詐欺の入口にもなる

高配当株投資にはメリットが多い反面、次のリスクを理解しておく必要があります。

減配・無配のリスク

企業の業績が悪化すれば、配当が減額(減配)されたり、なくなったり(無配)します。高配当だから安全という思い込みは禁物です。財務状況や業績の流れを定期的に確認する習慣をつけてください。

株価下落のリスク

配当利回りが高くても、株価そのものが大きく下がれば総合的な収益はマイナスになります。高配当は安全資産という意味ではありません。特に景気敏感業種の銘柄は注意が必要です。

為替のリスク

米国高配当ETFなど外国の資産に投資する場合、円高になると円に換算した配当金や評価額が目減りします。円建てのETFを使うか、為替ヘッジを検討することも選択肢の一つです。

NISA枠の再利用ルール

新NISAでは、売却した分の枠は翌年に復活します(生涯投資枠の上限内)。ただし、枠を使い切ったあとに売却して再投資したい場合は、翌年まで待つ必要があります。

配当の話は、勧誘の入口にもなる

ここは番人としての注意喚起です。私は過去に数千万円を騙された経験があります。そのとき効いたのは、決まって「安定した配当」「毎月の分配」という言葉でした。

 

上場企業の高配当株は、証券取引所で誰でも値段を確認できる商品です。一方で、「利回り10%を保証」「元本は保証されている」「未公開株なので上場すれば必ず上がる」といった話が個人から持ち込まれるとき、そこには取引所の値段も、開示された決算もありません。配当を目的に投資を始めた人は、この手の言葉に慣れてしまい、警戒が緩みます。

 

利回りの数字ではなく、その配当がどの事業のどの利益から出ているのかを説明できるかどうかで判断してください。説明できない相手からは、何も買わないことです。

まとめ|今日やることは設定の確認から

この記事のポイントをまとめます。

 

  • 新NISAの成長投資枠(年間240万円・生涯1,200万円)で高配当株を持てば、配当金を非課税で受け取れる
  • ただし株式数比例配分方式への設定が絶対条件。登録配当金受領口座方式や個別銘柄指定方式のままでは、NISA口座で持っていても課税される
  • 設定変更は反映までに時間がかかることがあるため、権利確定日の前に済ませておく
  • 銘柄選びは「連続増配実績・配当性向・業種・財務の安定性・バリュエーション」の5点チェックが基本
  • 個別株とETFを組み合わせ、減配・株価下落・為替のリスクを分散する
  • 高い利回りの話ほど、その配当の出どころを説明できるかどうかで判断する

 

新NISAは、使い方を知っているかどうかで将来受け取れるお金が大きく変わる制度です。銘柄をあれこれ探す前に、まず配当金の受取方式を確認してください。数分で終わるその作業が、10年で40万円以上の差になります。

 

そして、完璧なタイミングを待つより、今日始めることのほうが何十倍も価値があります。私がコアメンバーで12年目まで見てきて、資産形成でうまくいった人に共通していたのは、早く始めてコツコツ続けた人でした。

 

副業・投資の判断に迷ったら

私は数千万円を騙された経験と、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営してきた立場から、副業と投資の「本物と偽物」を見極める物差しをお伝えしています。

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投資家JACK(栂 淳也)

大阪府知事認可の不動産会社 代表/投資・副業コミュニティ「コアメンバー」主宰(2015年6月創設・運営12年目)

26歳で海外投資を始め、リーマンショックで1,000万円以上、アジアの事業案件で数千万円を騙されました。その経験から、投資詐欺と悪質な勧誘の手口を記録し、注意喚起を続けています。特定の金融商品の販売や仲介は行っていません。

  • 読売新聞(2026年1月31日)・週刊SPA!(2019年12月3日合併号)掲載
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