「複合投資」という言葉を、どこかで聞いたことがあるでしょうか。
きちんとした説明が少なく、なんとなく「投資を組み合わせること」くらいの理解で止まっている人がほとんどだと思います。ところがこの考え方は、使い方を間違えると資産が増えるどころか、持っていたものまで全部なくす危険があります。実際に私は、それで積立を解約せざるを得なくなった人たちを見てきました。
私は数千万円を騙された経験があり、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営し、投資副業サロン(コアメンバー)は12年目、累計500名を超える方と付き合ってきました。その立場から、複合投資とは何か、どこで踏み外すと全部失うのかを、私自身の実例と失敗例で書いていきます。
結論から言えば、複合投資の成否は「最初の核になる収入が本物かどうか」だけで決まります。そこだけ持ち帰ってもらえれば、この記事の役目は半分終わりです。
複合投資とは何か(結論)
複合投資とは、ある投資や事業から生まれた収入を、自分の生活費として消費せず、そのまま別の投資の支払いに回していくやり方のことです。
分かりやすい数字で説明します。
Aという案件に100万円を投資して、そこからの配当が月に3万円あるとします。その3万円を浪費するのではなく、そのままBという長期積立の支払いに回します。
こうすることで、Aに投資した100万円の配当だけでBの支払いも賄えますので、最終的にAの案件もBの案件も残るという形になります。
これが複合投資の骨格です。財布から新しく出ていくお金を増やさずに、資産の本数だけが増えていく。この「資産が資産を買う」状態を意図的に作るのが目的です。ポイントは3つだけです。
- 収入を生む「核(A)」と、その収入で買い続ける「積み上げ先(B)」を分けて考える
- Bの支払額は、Aから安定して入る金額の範囲に必ず収める
- Aが止まった瞬間にBも道連れになる構造だと理解しておく
なぜ複合投資は資産形成として優れているのか
私も複合投資の推奨派です。理由は単純で、給料や事業のキャッシュフローを削らずに、長期の積み上げを続けられるからです。
長期積立のような「毎月払い続けるもの」の一番の敵は、相場ではなく途中でやめてしまうことです。生活費から捻出していると、収入が減った月に真っ先に削られるのが積立です。支払いの原資が別の資産から生まれた収入であれば、家計の事情に左右されず続けられます。長期のものは続けた人だけが結果を受け取れるので、この差は10年、20年で大きな差になります。
もうひとつは、余ったお金を寝かせない効果です。私は以前から、毎月のキャッシュフローの中で余ったお金は全額資産に換えるという考え方でやってきました。複合投資は、その「余剰資金を資産に換える」を、気合ではなく仕組みでやる方法だと考えてください。
核にしていい収入と、絶対に核にしてはいけない収入
ここが本題です。複合投資で失敗する人は、組み合わせ方を間違えたのではありません。核となるAの選び方を間違えています。
核にしていい収入
核となるAの案件は、不動産収入や安定した副業収入など、ガチガチに堅い案件でなくてはなりません。判断基準はシンプルで、次の3つを全部満たすかどうかです。
- お金がどこから生まれているか、自分の言葉で説明できる(家賃なら入居者、物販なら販売した商品の粗利)
- 相手が飛んでも、自分の手元に現物や仕組みが残る
- 収入が数か月単位で止まっても、生活も他の支払いも壊れない
絶対に核にしてはいけない収入
逆に、月利何%と約束される私募案件、実体の見えない配当、紹介者が「毎月必ず入ってきますから」と言い切る類の収入は、核にしてはいけません。
この手の収入は、止まるときに一気に止まります。しかも止まった時点で、元本も戻ってきません。核が消えるだけでなく、その配当を当てにして始めた積立の支払いまで同時に詰まるので、被害が二重になります。
ここを間違えると、複合投資は「増やす技術」から「まとめて失う技術」に変わります。
訳の分からない私募案件や詐欺案件を最初の核にしてしまうと、資産は増えるどころか、全てを失うリスクが伴いますので十分にご注意ください。
実話1:詐欺案件を核にした複合投資が破綻した
数年前に、投資詐欺案件を使って複合投資を推奨していた人間がいました。
その時はまず某詐欺案件に投資させ、そこから発生する月5%の配当を、長期積立やFXなど他の投資詐欺案件に複合投資させていました。
理屈だけを聞けば、よくできた話に聞こえます。手出しゼロで積立が持てる、配当で資産が二重に増える。私がこの記事で説明している構造と、表面上は同じ形をしているからです。
その後どうなったか。詐欺案件は破綻し、配当も止まったので、多くの人が長期積立の支払いができなくなり、解約が相次いだということがありました。
ここで起きたことを整理しておきます。
- 核に入れた元本が返ってこない
- 当てにしていた配当が止まる
- 支払えなくなった積立を、早期に解約する(長期積立は早期解約ほど条件が悪い)
- 結果として、投資した先の両方でお金を失う
紹介した側は「相場が悪かった」「運営が飛んだのは想定外」で終わりです。数千万円を騙された私が言うのだから間違いありませんが、この手の人たちは、あなたの積立の支払いが詰まったところまで責任を取りません。
実話2:私の複合投資は中古戸建の家賃5万円から始まった
私の場合はこうです。
まずは、数百万円の投資用中古戸建を現金で購入します。1戸当たり5万円のキャッシュフローが発生しますので、その賃料収入を、そのまま長期積立やオフショア金融商品の支払いに充てます。
ここで意図的にやっているのが現金購入です。融資を使えばもっと大きく買えますが、返済が乗ると手残りが薄くなり、空室が出た月に核が沈みます。核にする1戸目は借金を乗せずに買う。これが私のやり方です。
私が購入する中古物件は稼働率が良く、賃料下落も少ないので、数年先までシミュレーション通り進みます。最初の収入の核がしっかりしているので、複合投資することで資産が資産を生んでいってくれています。
数字で書くと地味です。月5万円です。しかしその5万円が、5万円の積立を、自分の財布を痛めずに買い続けてくれる。これが続けば、家賃を生む戸建と、積み上がった金融資産の両方が手元に残ります。
ちなみに、副業から生まれている毎月数万円の収入も、そのまま別の案件の支払いに回しています。核は1本である必要はありません。私自身、オフショアでの外貨積立と国内の不動産という2本を軸にやってきましたし、その狙いはJACKが期待している将来の妄想という記事に、円とドルの関係も含めて書いています。
いまの私の核は、物販とFX半自動売買という「仕組み」
この記事を最初に書いた当時、私は核として不動産収入とアフィリエイトを挙げていました。年月が経ち、核の中身は入れ替わっています。いま私が持っている主な収入の仕組みは次のようなものです。
- FX半自動売買:相場分析やエントリー判断の多くをシステムに任せ、私はルール確認とリスク管理に集中する
- 中国輸入からのAmazon・楽天物販:仕入れ先のリスト化、発注フロー、出品テンプレートを手順書にして、繰り返し回せる形にする
- 楽天ポイントせどり:キャンペーン情報の収集と購入タイミングの計算を体系化し、再現性のある形にする
共通しているのは、どれも自分が手を動かさなくても回る形にしてあることです。この考え方はお金持ちになれる人・なれない人の決定的な差│仕組み化マインド5ステップ完全解説に詳しく書いていますが、複合投資と仕組み化はセットです。核が「自分が働き続けないと止まる収入」だと、体調を崩した月に核が止まり、積立の支払いも止まります。核は、自分の労働時間から切り離せているほど強いのです。
そしてもうひとつ大事なのは、収入の柱を1本に依存しないことです。給料だけ、あるいは核1本だけに頼る状態は、それ自体がリスクです。この点は給料以外にも収入の柱を築くことの重要性にまとめています。
今日からやること(4ステップ)
読んで終わりにしないために、手順に落とします。
ステップ1:いまの「核候補」を書き出す
給料以外に、毎月いくら入ってきているかを書き出してください。家賃、副業、物販の粗利、何でも構いません。ゼロなら、複合投資の話はまだ早いです。まずは核を1つ作るところからです。
ステップ2:その核が「止まらないか」を検証する
先ほどの3つの基準に当てはめます。お金の出どころを説明できるか、相手が飛んでも何か残るか、数か月止まっても壊れないか。ひとつでも怪しければ、その収入を核にしてはいけません。
ステップ3:積み上げ先(B)の金額を核の範囲内に決める
月5万円の核なら、月々の支払いは5万円までです。「足りない分は給料から出す」を最初から前提にすると、複合投資ではなく、ただの家計圧迫になります。ここは欲張らないでください。
ステップ4:核が止まった時のシナリオを紙に書く
核が半年止まったらBの支払いをどうするのか、取り崩す現金をいくら用意しておくのか。ここまで書けて、初めて複合投資はスタートできます。
注意点
いくつか、必ず添えておきたいことがあります。
まず、月利何%という数字で誘われた時点で、その案件は核の候補から外してください。「配当で積立が持てますよ」という売り方は、私が実際に破綻を見た手口そのものです。
次に、積み上げ先(B)にも寿命や制度変更があります。オフショアの商品は、会社ごとに新規契約の可否や条件が大きく変わります(例:RL360は2026年5月に日本人の新規受付を停止)。契約可否や条件は、必ずご自身で最新の情報を確認してください。
そして、税金の扱いです。家賃収入も副業収入も、複合投資に回したからといって課税されないわけではありません。手元に残らないお金にも税金はかかります。申告や経費の扱いは、税理士や税務署に確認してください。
最後に、投資に絶対はありません。本記事は情報提供を目的としたもので、利益を保証するものではありません。実際の判断はご自身の責任でお願いします。
まとめ
複合投資とは、堅実な売上収入や投資からの配当を、別の投資の支払いに回していく考え方です。
複合投資は、最初の核となる案件がしっかりしていれば資産形成として大変優れています。私自身、現金で買った中古戸建の月5万円が、長期の積立を買い続けてくれました。
反対に、核を間違えれば一撃で両方失います。配当を核にした複合投資が破綻し、積立の解約が相次いだ現場を、私は実際に見ています。
複合投資するのであれば、最初の収入の核は不動産収入や物販など安定した収入がベストです。今日確認すべきは利回りの高さではなく、核の頑丈さです。そこだけは、誰かに任せず自分の目で見てください。
副業・投資の判断に迷ったら
私は数千万円を騙された経験と、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営してきた立場から、副業と投資の「本物と偽物」を見極める物差しをお伝えしています。
※販売・勧誘・譲渡のお取次は一切行っていません。







