香港信託会社の「ドミニオン」の積立を解約したい、という相談が私のところに届き続けています。
新興のオフショア積立商品として最近になって名前を聞くようになりましたが、聞こえてくるのはネガティブな話ばかりです。要はRL360やメティスと同じで、積立の被害者がたくさん生まれているということです。
適当な説明を受けて勧誘され、メリットばかりかと思いきや全く違う。現実を知ったら解約したくなったが、紹介者は解約させてくれない。そうやって藁をも掴む思いで、私に相談をしてきます。
私は数千万円を騙された経験があり、投資副業サロン(コアメンバー)は12年目です。オフショア積立の解約相談は、その中でずっと受けてきたテーマです。この記事では、ドミニオンの積立を解約したいあなたが今日から自分の手で動けるように、書類の探し方から返戻金の受け取りまでを順番に書きます。
結論:ドミニオンの解約は契約直後でもできる。紹介者の許可は要らない
先に結論から書きます。
- 解約するなら1ヶ月でも早い方がいい
- 契約直後でも解約は可能
- 紹介者の同意も、紹介者の協力も、解約の条件ではない
- ドミニオンは取り扱っているIFAが少ないので、IFAが分からなくても少し調べれば大丈夫
ドミニオンだろうが、RL360だろうが、商品内容を理解し、メリットもデメリットも分かった上で支払期間中は続けるという人ならいいんですよ。保険会社や信託会社、商品そのものに問題があるわけじゃないんですから。でも実際は、悪徳紹介者の餌食になっている人ばかりです。「聞いていた話と違う」と気づいた時点で、続ける理由はもうありません。
なぜ紹介者は解約させてくれないのか
解約を申し出ると、紹介者はだいたいこう言ってきます。
- 「いま解約したら大損だから2年頑張ろう」
- 「2年間は解約できないので継続してください」
- 「最初の2年だけ頑張れば、あとは積立を停止・減額してもいい」
私はRL360(ロイヤルロンドン)など海外長期積立を解約したい人へでも書きましたが、これは自分のことしか考えていない説得です。誰にでも25年や30年の支払いを強要し、契約後のサポートはやらず、解約の相談をすると無視するか怒り出す。私のところには毎週3件以上、こうした解約相談が来ています。
理由は報酬の構造にあります。あなたが積み立てを続けている間、紹介する側には報酬が入り続けます。だから「続けさせる」ことが相手の利益になる。商品の良し悪しより自分の報酬を優先した勧誘が起きやすい構造だ、ということです。手数料の中身はドミニオン(Dominion)の香港オフショア積立は本当に増えるのかで数字を出して整理しました。解約を迷っている段階なら、先にそちらを読んでください。
紹介者に「解約したい」と伝えるのは1回だけでいい
1回言って話が進まなければ、それ以上その人とやり取りする必要はありません。解約の窓口は紹介者ではなく、契約を取り扱っているIFA(アイ・エフ・エー=海外の金融アドバイス会社)と契約会社です。説得され続けている時間そのものが損です。
私に届いた実際の相談
ドミニオンについて届いた相談を一つ紹介します。紹介者はFP2級の資格を持つ人で、10年前から付き合いがある。マネジメント料として年会費が必要とも言われ、わざわざ年会費を請求する時点でおかしくないかとモヤモヤしている。ドミニオンはMLM(連鎖販売取引)なのか。そういう内容でした。
私の回答はこうです。マネジメント料も年会費も通常はかかりません。MLMで情報弱者を騙して契約を取るという商品です。この手の案件を首謀しているのはFPで、FPが海外投資を勧誘していたらアウトだと考えてください。やり取りの全文は海外積立のドミニオンについて相談メールと私の回答にあります。
契約して一定期間が経てば、90%以上が積立を停止して解約します。そして紹介者だけが高額報酬を得て大儲けする。これを情弱ビジネスと言わずに何と言うのか。新築投資用ワンルームマンション販売と同じ構図です。
今日やること:ドミニオン解約の手順
ここからが本題です。紹介者に頼らずに進める順番を書きます。
STEP1|契約後に届いた書類を全部引っ張り出す
解約したいがIFAが分からないという人に、私が最初にアドバイスしているのはこれです。「契約後に届いた契約証券などの書類を引っ張り出してください」
何かしら手元には、英文で色々書かれた書類が届いているはずです。契約証券、契約内容の確認書、口座の案内。紙で届いていない場合は、契約時に登録したメールアドレスの受信箱を「Dominion」で検索してください。これが一枚も見つからない人は大問題です。自分が何に、いくら、何年払う契約をしたのかを把握できていない状態だからです。
STEP2|取扱IFAを特定する
その書類をよく見てみると、商品を提供している会社以外に「香港の会社名」が書かれていると思います。それがIFAです。契約番号(Policy No.やAccount No.と書かれた番号)も同じ書類に載っています。
ここで大事な前提を一つ。IFAは日本国内には存在しません。あなたがIFAだと思い込んでいる「東京の合同会社○○」「大阪の○○さん」は、ただの紹介ブローカーです。契約のときは親切丁寧でも、契約後のサポートはほぼ知らんぷり、解約相談をすると怒り出す。要は役立たずということですね。そもそもIFAの詳細を契約者に伝えていない時点で、悪徳紹介者確定です。
ドミニオンは取り扱っているIFAの数自体が少ないので、書類に出てきた会社名をそのまま検索すれば、たいていは連絡先までたどり着けます。この探し方は商品を問わず共通なので、オフショア積立解約したいがIFAが分からない人への完全ガイドも合わせて読んでください。
STEP3|IFAに「解約したい」と自分から連絡する
見つけたIFAに、電話かメールで「解約したい」と伝えます。日本語の窓口を持つ会社も多いので、まずは日本語で送って構いません。英語が全く話せなくても解約はできます。
連絡には、契約者氏名、契約番号、生年月日、登録している住所とメールアドレスを添えます。本人確認ができないと手続きが始まらないからです。2024年以降はIFAの倒産や連絡途絶が相次ぎ、紹介者ともIFAとも連絡が取れないという相談が増えました。その場合は契約会社に直接、解約の意思を書面で送ります。IFA経由ではなく契約会社が解約処理を行うので、IFAが消えていても手続きは進められます。
STEP4|解約書類を受け取って記入し、返送する
解約の意思を伝えると、解約手続き用の書類(英文のフォーム)が送られてきます。確認するのは次の点です。
- 署名は契約時と同じサインか(違うと差し戻されます)
- 本人確認書類(パスポートや運転免許証の写し)の要否と、認証(サイン証明など)が求められていないか
- 返戻金の受取口座を書く欄はどこか
- 原本の郵送が必要か、メール添付で足りるか
原本を送る場合は追跡できる方法で発送し、送った日付と追跡番号を控えてください。書類は「送った」と言っても記録がなければ証明できません。メールのやり取りも消さずに残しておきます。
STEP5|返戻金の受け取りまで確認する
申し出た時点で終わりではありません。お金が自分の口座に着金して、はじめて解約は完了です。次の3点を書類提出前に確認してください。
- 今解約した場合、返戻金がいくらになるか(金額を書面で出してもらう)
- その返戻金を、どの口座で受け取るか(海外からの外貨送金を受け取れる口座かどうか)
- 着金の目安時期と、送金手数料が引かれるかどうか
ドミニオンは中身が海外の投資ファンドへの積立です。解約すると保有分が売却され、その代金が送られてくる流れになります。為替や売却のタイミングで金額が動くので、「いくら戻るか」は必ず数字で確認してください。着金予定日を過ぎても入らない場合は、契約番号を書いて催促のメールを送ります。
なお、返戻金が出た場合の税金の扱いは、契約内容や損益によって変わります。確定申告が必要かどうかは、税理士か税務署に確認してください。
解約前に必ず確認しておく3つのこと
1つ目は、契約初期の積立分の扱いです。オフショアの長期積立は、途中で解約すると積み立てたお金の大半が戻ってこないケースが珍しくありません。何年目までがどう扱われるかは商品ごとに違うので、思い込みで判断せず、契約書類の英文とIFAから出る返戻金の見積もりで確認してください。
2つ目は、それでも解約したほうが早いという事実です。戻りが少ないと分かると、多くの人が「もったいないから続けよう」と考えます。しかし続ければ、その先も毎年コストを払い続けることになります。ドミニオンの手数料を整理した記事で書いた通り、年2%を超えるコストが複利で効いてくるのがこの商品の実態です。ダラダラ続けても喜ぶのは紹介者だけですよ。
3つ目は、解約後のお金の置き場です。戻ったお金をどうするか決めていないと、また別の「うまい話」に持っていかれます。私は、NISAのような国内の低コストな枠組みのほうが、コスト・税制・引き出しやすさ・法的な保護のどれを取っても現実的だと考えています。
やってはいけないこと
解約代行業者に依頼する
ネット検索で見つかる解約代行業者は、ここに書いたのと同じ手続きに20万円から30万円を請求してきます。オフショア積立の解約サポートを名乗る行政書士・司法書士の中にも、20万円以上の手数料を請求するところがあります。手順さえ分かれば自分でできる手続きです。お金の無駄なので依頼しないでください。
そのほか、次の3つも避けてください。
- 紹介者に相談したまま止まる(解約の窓口は紹介者ではありません)
- 「あと2年だけ」と言われて引き延ばす(その2年も報酬とコストが動き続けます)
- 書類を探さずに放置する(契約番号が分からないと、どこにも問い合わせられません)
よくある質問
紹介者と連絡が取れなくなりました
問題ありません。紹介者は解約の窓口ではないからです。手元の契約書類からIFAを特定して直接連絡し、IFAとも連絡が取れなければ契約会社に書面で解約の意思を伝えます。
ドミニオンは保険ではないのですか
私が調べた範囲では、ドミニオン(Dominion Capital Strategies)は保険ではなく、海外の投資ファンドに積み立てるプログラムです。「オフショア保険」という言葉で勧誘されて、保険だと思って契約している人が非常に多い。詳しくはこちらの記事にまとめています。
まとめ
ドミニオンの解約でやることは、突き詰めればこれだけです。
- 契約後に届いた英文書類を探す
- そこに書かれた香港の会社名(IFA)と契約番号を押さえる
- IFAに自分から「解約したい」と連絡する
- 届いた解約書類を記入し、記録を残して返送する
- 返戻金の金額と着金を最後まで確認する
紹介者の許可は要りませんし、代行業者に20万円を払う必要もありません。解約するなら1ヶ月でも早い方がいい。これだけは繰り返しておきます。ドミニオンの件でお困りのことがあれば、ご相談ください。
【免責事項】本記事は私自身の経験と、届いた相談に基づく個人の見解です。特定の金融商品の購入・解約を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任で行い、税務は税理士・税務署に、法的な問題は弁護士にご確認ください。
副業・投資の判断に迷ったら
私は数千万円を騙された経験と、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営してきた立場から、副業と投資の「本物と偽物」を見極める物差しをお伝えしています。
※販売・勧誘・譲渡のお取次は一切行っていません。







