【2026年 最新追記】
オフショア商品は、会社ごとに新規契約の可否や条件が大きく変わります(例:RL360は2026年5月に日本人の新規受付を停止)。本記事は当時の情報を含むため、最新の契約可否・条件は必ずご自身で確認してください。
税務の取り扱いは契約内容や所得によって変わります。実際の申告は必ず税理士または所轄の税務署に確認してください。
「香港などで契約できる海外の生命保険(オフショア生命保険)を、会社や個人の節税に使えないでしょうか」
この質問を、私はこれまで何度も受け取ってきました。
結論から先に書きます。海外生命保険は、法人にとっても個人にとっても節税商品にはなりません。
この件は私自身も過去に検討したことがあります。その際に国内外の税務や法務、保険業界のスペシャリストの方にも相談しました。そこで出た答えが「NO」でした。
私は数千万円を騙された経験があり、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営してきました。投資副業サロンは12年目、コアメンバーは累計500名を超えます。その立場から言えるのは、「海外の保険で節税」という言葉が出た時点で、その勧誘は疑ってかかったほうがいいということです。
この記事では、なぜ節税にならないのかという理屈だけでなく、解約返戻金にかかる税金、法人契約の会計上の扱い、CRSによる情報交換、相続で起きることまで、2026年時点の実務に沿って整理します。税理士に相談する前に、まずここで前提を揃えてください。
結論|海外生命保険は「節税」ではなく「資産形成」の商品
先に全体像を示します。海外生命保険と税金の関係は、次の4点に集約されます。
- 法人が払った保険料は、原則として損金ではなく資産として計上する扱いになる
- 個人が解約して受け取った返戻金は、日本では一時所得として課税対象になる
- CRS(共通報告基準)により、香港などの金融口座情報は日本の国税庁へ自動的に伝わっている
- 日本居住者である限り、海外に置いたというだけで日本の課税から外れることはない
つまり、海外生命保険で「払った分が経費になる」「日本の税金がかからない」という話は成り立ちません。
海外の貯蓄型保険に価値があるとすれば、それは節税ではなく米ドル建てで長期に資産を育てる器としての価値です。商品の中身は【2026年5月最新】香港保険サンライフ・CTFライフの主要商品完全ガイドで整理しています。
海外生命保険で理論上は節税できても現実は難しい
「オフショア生命保険が節税商品になる」と豪語する人は、必ずこう言います。
- 契約者を法人にして海外生命保険を契約する(資産計上)
- 法人が保険料を支払う
- タイミングをみて法人名義から代表者や役員など個人に名義変更する
- 解約返戻金がプラン価値なので、支払済保険料との差額が損金になる
分かりやすく数字にすると、こういう説明です。
- サンライフの養老保険を法人契約で契約し、5年間で1,000万円の保険料を支払う
- 5年後に法人から個人に名義変更する
- 5年後時点での解約返戻金は約400万円程度
- 支払済保険料1,000万円に対して解約返戻金が400万円なので、法人は損金として600万円を計上できる
これを読んで「すごい」と思ったら大間違いです。
合理的理由の無い名義変更を、日本の税務当局が認めるはずがありません。
そもそも海外の生命保険商品は、国内商品と違って節税対象ではないんです。「オフショア生命保険が節税になる」と豪語する人は、それを分かっているのでしょうか。
法人から代表者への名義変更手続き自体は可能です。しかしその差額を損金として計上しても、普通に考えて日本の税務当局が認めるわけがない。だって、最初から確信犯じゃないですか。5年後の解約返戻金なんて支払保険料に比べたら微々たるものだと分かっておきながら契約するんですから。
日本で行われてきた「逓増定期保険の名義変更プラン」の節税スキームとは全く違います。海外を絡ませた節税スキームというだけで税務署は神経を尖らせているのに、こんなお粗末な手法を誰でも使えるかのように豪語する人たちの感覚はどうかしています。
海外生命保険が法人や個人の節税に使えるのなら、周りは皆やっていますし、そんな都合の良いやり方はとっくの昔に当局に取り締まられているでしょう。
つまりこんなスキームは、現代では全く通用しません。
海外の生命保険は、損金のことは考えずに法人の資産として契約するか、個人の手厚い死亡保障・資産形成として契約しましょう。インターネットの情報は嘘や無責任なデタラメも多いので注意してください。
解約返戻金は「一時所得」として課税される
海外生命保険は「増える」ことばかりが語られますが、増えた分には日本で税金がかかります。日本居住者が香港などの貯蓄型保険を解約して返戻金を受け取った場合、一般的には次のように扱われます。
- 課税区分:一時所得(受け取りが一度きりの、対価性のない所得という意味です)
- 計算式:(解約返戻金 − 払込保険料総額 − 特別控除50万円)× 1/2 = 課税所得
- 確定申告:利益が50万円を超えた場合は確定申告が必要
- 為替差益:外貨建て保険の為替差益も、一時所得の計算に含まれます
計算例で見る「増えた分」の税金
1万米ドルを払い込み、30年後に6万3,000米ドルになったケースを、1ドル150円で計算してみます。
- 払込保険料:1万米ドル × 150円 = 150万円
- 解約返戻金:6万3,000米ドル × 150円 = 945万円
- 利益:945万円 − 150万円 = 795万円
- 特別控除後:795万円 − 50万円 = 745万円
- 課税所得:745万円 × 1/2 = 372.5万円(他の所得に合算)
仮に税率20%とすると、税負担は約74.5万円です。手取りは約870万円ですから、日本円で見れば元本の6倍近くを受け取れる計算にはなります。
ただし、ここで見てほしいのは金額の大きさではありません。「海外の保険だから日本では申告しなくていい」という余地はどこにも無いという事実です。増えた分にはきちんと税金がかかる。それが前提です。
なお、この数字は非保証部分を含む想定値です。実際の受取額は運用成績と為替で変わりますし、税率もその年の他の所得によって変わります。商品ごとの返戻率の目安は【2026年最新】香港保険サンライフ vs CTFライフ徹底比較にまとめています。
法人契約は「資産計上」が基本。損金にはならない
法人で海外生命保険を契約したい経営者の方から、必ず出てくる質問があります。「払った保険料は経費になりますか」というものです。
答えは、原則としてなりません。
香港などの貯蓄型保険は保障部分が極めて薄く、支払ったお金の大半が積立に回る設計です。契約価値に対する死亡保障が101〜105%程度という商品も珍しくありません。会社のお金が保険という器に姿を変えて残っているだけですから、これを費用として落とす発想がそもそも通りません。
私が20年経営してきた不動産会社でも、決算のたびに「使える経費」と「資産として残るもの」を顧問税理士と切り分けます。海外生命保険は、どう見ても後者です。
その上で、法人契約には外貨建てゆえの評価の論点、解約や名義変更のタイミングで利益や損失が立つ問題、海外送金の記録が残るという事情が重なります。
だからこそ、法人で検討するなら契約前に顧問税理士へ相談してください。契約してから相談すると、打てる手が一気に減ります。私が相談を受けてきた中で一番多い後悔が、この順番の間違いです。
CRSがある以上「海外だからバレない」は成立しない
節税トークの正体は、多くの場合「節税」ではなく「バレないから申告しない」です。これは節税ではなく、ただの脱税です。
CRS(Common Reporting Standard/共通報告基準)は、非居住者の金融口座情報を各国が自動的に交換する国際的な取り決めです。日本と香港はともに参加国で、香港の金融機関は日本居住者の口座残高・利息・配当・売却益といった情報を、香港の税務当局を経由して毎年日本の国税庁へ報告しています。
この流れの中で、海外の銀行口座開設、オフショア長期積立、海外養老保険の契約時にマイナンバーの提示を求められるケースが増えました。普及前に契約した商品にも、後から番号の申告を求める通知が来ることがあります。脱税目的で契約するものではないのですから、素直に提出すればいい。詳しくはHSBC口座開設、オフショア積立や海外養老保険もマイナンバー提示が義務化で解説しています。
いまだにこう言う人がいます
・オフショア金融商品を契約していることは日本の金融当局にバレない
・香港の口座は税務署には分からないので、満期時にはここにお金を戻せば税金がかからない
マネーセミナーでこの手の話を聞いたら、その場で距離を取ってください。適当な嘘です。真に受けてはいけません。
あわせて、日本居住者には次のような申告・提出のルールがあります。
- 国外送金等調書:100万円を超える海外送金は、金融機関が税務署へ調書を提出します
- 国外財産調書:12月31日時点の国外財産の総額が5,000万円を超える場合、翌年6月30日までに提出義務があります
- 申告漏れのペナルティ:無申告加算税、意図的な隠匿と判断された場合の重加算税、延滞税などが課されます
海外口座と税金の全体像はHSBC香港口座を持つ日本居住者の税金|CRS時代の正しい申告方法で詳しくまとめました。海外生命保険を検討している方は、口座側の話も必ずセットで押さえてください。
相続対策として売り込まれたときに確認すること
最近の勧誘で増えているのが「相続対策になります」という言い方です。香港の貯蓄型保険には、契約者や被保険者を変更して自分から子、子から孫へ契約を引き継げる商品があります。日本の保険にはほとんど無い機能で、世代を超えた資産承継のツールとして紹介されます。
機能そのものは事実です。ただし、承継できることと、相続税がかからないことは、まったく別の話です。
一般的に、日本の相続税は財産が国内にあるか国外にあるかで判断されるものではありません。海外に置いたから対象外になる、という単純な話ではないのです。海外生命保険を相続の文脈で勧められたら、少なくとも次の点を売り手ではなく税理士に確認してください。
- 契約者・被保険者・受取人を誰にするかで、税金の種類(相続税か贈与税か所得税か)がどう変わるのか
- 契約途中で名義を変えた場合、その時点で何が課税されるのか
- 相続が起きたときの評価額を、外貨建てでどう円換算するのか
- 国外財産調書の提出対象になるか
ここを「大丈夫です」の一言で流す担当者からは、契約しないほうがいい。複雑なものを簡単だと言い切る人は、分かっていないか、分かっていて黙っているかのどちらかです。
今日やること|税理士に相談する前の5ステップ
「海外生命保険 節税」で検索してここにたどり着いた方が、今日できることを順番に並べます。
- 1. 目的を書き出す:節税か、ドル建てで増やすことか、家族に残すことか。目的が節税なら、この商品は選択肢から外れます
- 2. 勧誘者の言葉をメモする:「損金になる」「日本にバレない」「税金がかからない」があれば、その文言をそのまま記録する
- 3. 保証部分と非保証部分を分ける:高い返戻率は非保証部分を含んだ想定値です。保証部分だけでいくらかを必ず聞く
- 4. 出口の税金を先に計算する:一時所得の計算式に自分の想定額を当てはめれば、手取りベースで判断できます
- 5. 契約前に税理士へ行く:できれば国際税務の経験がある先生に。契約後ではなく契約前です
この5つを済ませてから判断すれば、少なくとも「話が違う」という後悔は避けられます。
注意点|線引きをはっきりさせておきます
- 本記事は一般的な情報提供であり、特定の商品の契約を勧めるものではありません
- 税務の取り扱いは契約内容・居住地・その年の他の所得によって変わります。実際の申告は税理士または所轄の税務署に確認してください
- 返戻率の数字には非保証部分が含まれ、為替によって円換算額も変動します。将来の成果を約束するものではありません
- 私は商品の販売・勧誘・お取次を一切行っていません。相談を受けてきた立場から、見てきたことを書いているだけです
まとめ|「節税」で近づいてくる人から、まず離れる
海外生命保険は節税商品ではありません。法人が払えば資産計上、個人が解約すれば一時所得。CRSがある以上、海外に置いたことが日本の課税を止めることもありません。この3つを覚えておけば、怪しい勧誘の多くは自分で弾けます。
それでも海外の貯蓄型保険を選ぶ理由があるとすれば、米ドル建てで長期に運用する器として納得できるかどうか、その一点です。税金の話ではなく、通貨と時間の話として考えてください。
私は数千万円を騙された側の人間です。あのとき私に近づいてきた人たちも、必ず「お得な話」から入ってきました。節税という言葉は、その典型です。間違った情報を鵜呑みにして契約しないよう、くれぐれもご注意ください。
副業・投資の判断に迷ったら
私は数千万円を騙された経験と、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営してきた立場から、副業と投資の「本物と偽物」を見極める物差しをお伝えしています。
※販売・勧誘・譲渡のお取次は一切行っていません。







