iPhoneやポケモンカードの買取業者が、大型倒産を起こす。
この手のニュースは、毎年のように数件出てきます。
しかも一度ハマると、金額が大きいだけに一発で自己破産まで追い込まれることがあります。
投資詐欺と比べて話題になりにくい分、警戒されていないのが実情です。
先に結論です。
iPhoneやポケモンカードの買取業者は、前払いではなく「先に品物を送らせる」商売です。
飛ばれた瞬間、手元には何も残りません。
高く売れるかどうかより、確実に入金されるかどうかで選んでください。
この記事では、私が去年実際に紹介された業者の話と、なぜこの構造が繰り返されるのか、そして送る前に確認すべきことを書いていきます。
去年、私が「買取GOD」を紹介されたときの話
去年、仲間から「買取GOD」というiPhoneの買取業者を紹介されました。
触れ込みは、相場に関わらず、必ず利益を上乗せして買い取るというものでした。
私は代表者とZoomで面談しています。顔も見ました。
それでも胡散臭さが拭えず、自分では動かずに調べていました。
その矢先です。
その業者は債務不履行を起こして雲隠れし、そのまま倒産しました。
端末を送った人に送金はされないまま終わり、被害総額は数十億と言われています。
私とコアメンバーに被害はありませんでした。
なぜ、相場より高く買えるのか
私がどうしても引っかかったのは、たった一点でした。
なぜ、相場より高く買えるのか。
買取という商売は、仕入れて売るだけです。
高く買えば、その分だけ自分の利益が削れます。これは物販をやっている人間なら誰でも分かる話です。
それでも相場より高く買えるなら、必ず理由があるはずです。
海外に特殊な販路を持っているのか、圧倒的な量で回して単価を下げているのか。理由がある業者は、聞けばきちんと説明できます。
問題は、その理由を最後まで説明できない相手です。
そうした業者は、たいてい次に集めたお金で前の人に払っています。
新しく端末を送ってくれた人の分で、先に送った人へ振り込む。自転車操業です。
この形は、集まる量が増え続けている間は問題なく回ります。
けれど順番が回ってこなくなった瞬間に、全部止まります。
止まるときは、たいてい何の前触れもありません。
買取業者の倒産が、投資詐欺より危険な理由
買取には、投資と決定的に違う点があります。
投資は、自分のお金を出す判断です。
買取は、先に品物を手放してから、お金を待つ取引です。
端末を送った時点で、手元には何も残っていません。
相手が飛べば、品物もお金も同時に失います。
しかも金額が膨らみやすいのも特徴です。
スマートフォンの新機種は1台20万円前後します。まとめて売る人なら、数百万円から1,000万円規模はすぐに超えます。
ポケモンカードのような資産性のある品物でも同じことが起きます。
「数千円でも高く売りたい」という気持ちは、私にもよく分かります。
けれど、その数千円の差は、飛ばれた瞬間に意味を失います。
端末を送る前に、確認してほしいこと
完全に見抜く方法はありません。それでも、確認するだけで避けられる相手はいます。
- 運営年数|法人登記はいつか。数年以内の設立なら慎重に
- 入金までの日数|「翌営業日」が原則。1週間以上かかる説明は要注意
- 過去の遅延情報|業者名と「入金されない」「遅い」で検索する
- 高く買える理由|納得できる説明があるか。曖昧なら送らない
- 実店舗と連絡手段|電話が通じるか。SNSのDMだけで完結していないか
特に効くのは「入金までの日数」です
健全な買取業者は、査定後すぐに振り込みます。資金が回っているからです。
逆に、入金までの日数が長い業者は、あなたのお金を次の資金繰りに使っている可能性があります。
「今月は混み合っていて」「システムの都合で」という説明が続くなら、それはすでに危険信号です。
一度に全部送らないことも自衛になります
初めて使う業者なら、まず1台だけ送って入金を確認する。
手間はかかりますが、この一手間で被害額は桁違いに変わります。
すでに送ってしまった場合にできること
厳しい話を書きます。
相手が倒産した後に、お金が戻ってくる可能性は高くありません。
破産手続きに入れば債権届出はできますが、配当はごくわずかか、ゼロで終わることがほとんどです。
それでも、やるべきことはあります。
取引の記録(申込画面、発送伝票、やり取り、査定額の提示)をすべて保存し、警察と消費生活センターに相談してください。同じ被害者が集まって情報を共有することで、次の被害を止められる場合があります。
このあたりの現実については、投資詐欺の文脈で別の記事に詳しく書きました。構造は同じです。
いちばん深く傷つくのは、紹介した人です
最後に、今回いちばん書いておきたいことです。
今回の件で最も大きな被害を受けたのは、私に紹介してくれた仲間でした。
被害額は1,000万円以上です。
善意で人に勧めた人ほど、金額以上のものを失います。
お金だけでなく、自分が紹介した相手への申し訳なさを、そのまま背負うことになるからです。
私はこの立場を、身をもって知っています。
過去にジュビリーエースという案件に自分で投資し、それを見たメンバーが参加して損をするという事態を招きました。その経緯と反省はこちらの記事にすべて書いています。
だから断言できます。
悪意のある勧誘より、善意の紹介のほうが、はるかに速く広く伝わります。
信頼している人からの話ほど、疑う理由が消えてしまうからです。
まとめ
買取業者の大型倒産は、これからも数年おきに起きます。
前払いではなく先に品物を預ける仕組みである以上、この構造はなくなりません。
覚えておいていただきたいのは、この一行だけで十分です。
高く売れるかではなく、確実に入金されるか。
相場より高い数字を出してくる相手には、その理由を必ず聞いてください。
説明できない相手には、大切なものを預けないことです。
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