「FPに相談したのに、なぜか損をしている」
そう感じて検索しているあなたに、まず結論をお伝えします。
FP相談の失敗は、FPの腕が悪かったから起きるのではありません。相談の場が、最初から「販売の場」になっていたときに起きます。
私は数千万円を騙された経験があり、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営し、投資副業サロン(コアメンバー)は12年目になります。その立場で、FPに勧められて契約した人の相談を数えきれないほど受けてきました。
この記事では、掲載許可をいただいた1件の失敗事例をそのまま載せたうえで、なぜそうなったのか、同じ型がどれだけ繰り返されているのか、そしてすでに契約してしまった人が今からできることを、私が実際にこの方と一緒にやった順番で書きます。
特定のFPや会社を「詐欺」と決めつける記事ではありません。私が見てきた構造と、その後始末の手順の話です。
FPの有料相談で、逆にお金を減らす人が増えている
FPの有料相談でトンデモない提案をされて、逆にお金を減らす人が多発中です。最近本当に思うのが、FPの質が全体的に下がりすぎだということ。お客様に寄り添うというよりも、目先の手数料稼ぎに走っている傾向があります。
ネットで見つけたFPを安易に信用しない方がいいと思いますよ。良いFPもいることは確かですが。
では、実際にどんな失敗が起きるのか。ブログ読者さんからいただいた相談を、掲載許可をいただいたうえで紹介します。
失敗事例|1時間3万円のFPに、海外積立25年と新築ワンルーム3部屋を契約させられた(掲載許可済み)
JACKさん初めまして。
私は4年前にネットで見つけたファイナンシャルプランナーに資産形成の相談を申し込みました。
1時間3万円でしたが、手広く活動していてある程度ネームバリューもある先生でしたので、安心しきっていました。
ひと通り私の現状と余裕資金、目標としている資産計画などを伝えたところ、FPからは「ロイヤルロンドンの長期積立がお勧めです」と言われました。
海外の金融商品には興味はあったものの、情報が少なくリスクもあるので避けていましたが、FPからは「年利10%以上で確実に運用できる」「積立が厳しいなら最初の2年間だけ頑張って止めても大丈夫」「将来は1億円以上の資産形成ができます」と言われて、契約書にサインをしてしまいました。
因みに私の年齢は50歳ですが、年齢は関係なく25年支払がベストな選択だと言われました。
それだけではなく、日本国内での安定した資産形成として新築ワンルームマンション投資を勧められました。
大阪市内の物件でしたが頭金も0で節税対策もバッチリ、これから大阪の不動産価値は上昇していくのでやるなら今しかない、と半ば強引に押し切られる形で3部屋購入しました。
あれから4年が経過し、年利10%で運用可能だと言っていたロイヤルロンドンの25年積立は元本割れでマイナス、FPも事務所を移転したのか連絡が取れず、IFAの名前も聞いていないのでどこに連絡して手続きをして良いのか分かりません。
新築で購入したワンルームマンションも、家賃の値下がりが想像以上に大きくて毎月のキャッシュフローが悪化し続けており、売却も検討しましたが、現在の売却相場は残債を大きく下回っていて、売るに売れない状況です。
大阪の不動産価格は上昇すると言っていましたがワンルームマンションに限っては供給過剰で、どんどん値下がりしている現状です。
最初にネットで見つけたFPに3万円払って相談に乗ってもらったのが、大きな負のターニングポイントになってしまいました。
この状況から最善の選択をしたいのですが、FPはもう信用できず、周りに相談できる相手もいません。
大変厚かましいお願いですが、どうかお助けください。
以上ここまで。
どうですか皆さん。酷い話だと思いませんか。
この相談の、どこが失敗だったのか
この方は不注意な人ではありません。むしろ、わざわざ1時間3万円を払って専門家に確認しようとした、慎重な人です。それでもこうなりました。理由を分解します。
1. 「確実」という言葉が出た時点で、相談ではなく営業
「年利10%以上で確実に運用できる」この説明が出た時点で警戒すべきでした。運用に確実はありません。ここで話は提案ではなく販売トークに変わっています。将来の運用成果は誰にも保証できませんし、断定できる人がいるとすれば、それは売りたい人です。
2. 50歳に25年払いを勧める時点で、こちらを見ていない
50歳の方に「年齢は関係なく25年支払がベスト」と言い切る。これは相談者の人生ではなく、契約の中身を見て出てきた答えです。長期の積立は、払い続けられる前提が崩れた瞬間に一番損をします。年齢と払い終わる時期の話を飛ばして「ベスト」と言われたら、そこで一度止まるべきでした。
3. 「最初の2年だけ頑張れば止めても大丈夫」は危険な説明
この言い方は、長期で払い続ける前提の商品を、短期で切り上げられる商品のように聞かせています。実際にこの方は4年後に元本割れの状態にいます。積立を途中で止めたり解約したりしたときに、いくら戻るのか。ここを最初に確認していれば、判断は変わっていたはずです。
4. 海外積立と新築ワンルームが同じ日にセットで出てくる
私が繰り返し書いてきたとおり、FPに勧められて契約した人の相談で出てくる商品には、はっきりした共通点があります。海外積立、投資用の新築ワンルームマンション、そして手数料の高い保険。この組み合わせが初回の相談で出てきたら、それは相談ではなく営業だと考えてください。詳しくはFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してはいけない理由にまとめています。
5. IFAの名前を聞いていなかった
これが後で一番効いてきます。海外の積立は、契約後の手続き窓口が販売した人とは別に存在します。その窓口の名前を控えていなかったために、FPと連絡が取れなくなった瞬間、解約も変更も自分では動かせない状態になりました。契約した相手の連絡先だけでなく、契約後にどこへ連絡するのかを、契約日に紙で残す。これは今日からでもできる自衛です。
こういう相談は1件や2件ではない。繰り返し出てくる3つの型
こういう相談は1件や2件ではありません。ブログ開設以降、軽く30件以上はありました。そして中身は、だいたい次の3つの型のどれかに収まります。
型1|有料のFP相談から、海外積立と新築ワンルームへ
今回の事例がこれです。相談料を払っているので信用してしまい、その日のうちに長期契約が2本走ります。相談料と、商品を売ったときの報酬の両方を受け取る立場の人がいる、という点を知らないまま座ってしまうのが入口です。
型2|無料相談から、貯蓄型や変額の保険へ
無料相談が無料で成り立つのは、相談した人が商品を契約したときに会社から手数料が入るからです。悪いことだとは言いませんが、言葉の向きは決まります。貯蓄の相談をしたのに貯蓄型の保険を、投資の相談をしたのに変額の保険を勧められる。この構造と、行く前の準備についてはFPに相談する前に知っておくことで詳しく書きました。
型3|FPや投資系の会社と顧問契約を結んでしまう
毎月お金を払い続けているのに、提案されるのは結局オフショアの長期積立やワンルームマンション。顧問契約が必要なのは弁護士や税理士、社労士くらいで、FPへは必要なときにスポットで頼めば足ります。この話は投資系の会社と顧問契約?無駄なのですぐに解約をに書いています。
FPはお金の先生としての位置付けであり、ある程度難しい試験を突破して資格を取得しているのは確かです。ですがお金の勉強は、教科書から学べるものではなく実践する上で学べるもの。つまりお金の先生とはFPではなく、成功している投資家のことを指します。
FPだからと言って安易に信用した結果、海外積立を不利な条件で契約させられたり、損をする可能性が極めて高い新築投資ワンルームマンションを提案される始末です。
契約してしまった後にできること|この方と実際にやった順番
ここからが、検索してこの記事にたどり着いた人が一番知りたいところだと思います。すでに契約してしまった後、私がこの方と実際にやったことを順番に書きます。
手順1|今の事実を、一枚の紙に並べる
感情を横に置いて、数字だけを並べます。積立は毎月いくらを何年払う契約か、これまでいくら払ったか、今の評価額はいくらか。不動産は3部屋それぞれの残債、家賃、毎月の収支、今の売却相場。ここが埋まらないうちは、どの選択が正しいかを議論しても意味がありません。
手順2|契約後の窓口を特定し直す
この方はIFAの名前を聞いていませんでした。そこで、私が海外積立とワンルームマンション投資の正しい情報をお伝えしたうえで、IFAも調べてお伝えしました。販売した人と連絡が取れなくても、契約そのものは生きています。窓口さえ分かれば、解約も変更も自分で手続きできます。ここで諦めて放置してしまう人が本当に多い。
手順3|続けた場合と、止めた場合を数字で比べる
「もったいないから続ける」は、判断ではありません。払い続けた場合にあと何年でいくら払うのか、今止めたらいくら戻るのか。この2つを並べて初めて選べます。この方は、その比較をしたうえで、ご自身の判断で積立を解約されました。
手順4|不動産は「切る順番」を決める
残債が売却相場を上回っていると、売りたくても売れません。全部同時には動かせないので、収支の悪い部屋から順番に、どこまでの損失なら受け入れるかを決めて動かします。この方は、最小限の損切りで3部屋のうち2部屋を処分されました。こんな投資を続けていても今後好転することなく、ダラダラと損失が拡大してくるのは目に見えていますからね。
手順5|お金が戻ってきたら、税金の話を先に済ませる
解約して返戻金を受け取ったり、不動産を売却したりすれば、税金の話が必ず出てきます。海外に置いたお金だから分からないだろう、という考えは通用しません。この点は海外積立の返戻金を日本で受け取って無申告は100%バレますに書いたとおりです。最終的な申告の要否や金額は、必ず税理士か税務署に確認してください。
今日やること
まだ契約していない人も、してしまった人も、今日できることは同じ3つです。
- 契約書と保険証券、不動産の返済予定表を全部出して、毎月いくら払っていて、今いくら戻るのかを紙に書く
- 契約後の連絡先(海外積立ならIFAと保険会社、不動産なら管理会社と金融機関)を確認して控える
- 提案を受けている最中なら、その日は契約しない。持ち帰って一晩置く
この3つだけで、防げる失敗がかなりあります。とくに最後の1つです。今日決めないと損をする提案は、たいてい今日決めさせたい人の都合です。
注意点|二次被害だけは避けてください
失敗した直後の人は、次の被害に一番遭いやすい状態にあります。
損をした話をどこかで書くと、「取り返せます」「いい先生を紹介します」と近づいてくる人がいます。焦っている人ほど、その言葉に飛びつきます。
一度失敗した人が次にやるべきは、新しい先生に丸投げすることではありません。自分の数字を自分で把握することです。
もうひとつ。私は販売・勧誘・譲渡のお取次は一切行っていません。私にできるのは、仕組みと、私自身が見てきた実例をお伝えすることだけです。最終的な判断は必ずご自身でしてください。
まとめ|リテラシーが無いまま座ると、確実に搾取される
これだけは覚えておいて下さいよ。FPに限らず、金融機関や不動産屋と話をするなら、自分が一定以上のリテラシーを持ってないと確実に搾取されます。
自分自身で知識武装・情報武装するか、周りに信頼できる投資仲間の存在が重要なんですよ。
自分が知識もない、経験もない、周りに信頼できる投資仲間もいない、でも投資で資産を増やしたい。こんな人はカモ中のカモです。
そして、すでに契約してしまった人へ。失敗した契約は、放置している間だけ損失が増えます。数字を並べて、窓口を特定して、続けるか止めるかを自分で決める。この順番で動けば、今からでも被害は止められます。実際にこの方も、そうやって着地させました。
この相談者さんのような事になる人が1人でも減るように、私は今後も注意喚起を続けていきますが、皆さん自身も最低限お金や投資のリテラシーを高めて、信頼できる投資仲間を1人でも多く持ちましょうね。
副業・投資の判断に迷ったら
私は数千万円を騙された経験と、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営してきた立場から、副業と投資の「本物と偽物」を見極める物差しをお伝えしています。
※販売・勧誘・譲渡のお取次は一切行っていません。







