「ソーシャルレンディングは危険だからやめたほうがいい」と検索してこの記事にたどり着いた方へ、私の結論を先に書きます。
私は投資家JACKです。数千万円を騙された経験があり、大阪府知事の認可を受けた不動産会社を20年経営し、投資副業のコミュニティを運営して12年目になります。累計500名を超えるコアメンバーから、実際に投資したお金がどうなったかという生々しい報告を受け続けてきた立場です。
そのうえで、私はソーシャルレンディングをこれまで一度もやったことがありません。
「ローリスクミドルリターンの投資」だと勘違いしている人がいますが、実際は「ハイリスクミドルリターン」くらいが正しい表現だと思っています。この記事では、なぜそう考えるのか、その根拠と実話、そしてあなたが今日確認すべきことを順番に書きます。
結論|私がソーシャルレンディングを勧めない3つの理由
先に結論をまとめます。
- 理由1|銀行がお金を貸したがっている時代に、わざわざ年10%前後の高い金利を払って個人から借りる先である、という時点で借り手の信用が読めない
- 理由2|投資家は借り手を選べず、貸したあとは何もコントロールできない。資金の私的流用が起きても止められない
- 理由3|リスクの大きさに対して、リターンが特段高いわけではない。もっと堅実で利回りにも期待できる商品が他にある
そして海外のレンディング案件については、もっとはっきり書きます。周りの人から海外のレンディング投資の話を聞いたら、まず詐欺を疑ってください。
そもそもソーシャルレンディングとは何か
ソーシャルレンディングとは、お金の借り手(企業)と貸し手(投資家)を結びつける、クラウドファンディングサービスの一種です。クラウドファンディングとは、インターネット経由で多数の人から少しずつお金を集める仕組みのことです。
投資家は企業にお金を貸し付け、その見返りに金利(配当)を得ます。要は、投資家が個人銀行としての役割を担い、企業にお金を貸しているわけですね。
ここが株や投資信託と決定的に違うところです。株なら値上がりも配当もあり、途中で売ることもできます。ソーシャルレンディングは、貸したお金が約束どおり返ってくるかどうかがすべてです。うまくいっても年10%前後、失敗したら元本が返ってこない。上振れが無く、下振れだけがある形になりやすい商品だということを最初に理解してください。
最大の危険|銀行が貸さない先に、個人が年10%で貸している
少し考えてみてください。
なぜ企業がわざわざ赤の他人から、年10%前後の高金利を払ってまでお金を借りないといけないのでしょうか。
銀行はお金を貸したくて貸したくて、低金利でも融資先を探しているはずです。つまりソーシャルレンディングの借り手(企業)というのは、銀行から見た属性が低く、まだ信用がないから高い金利でお金を集めていると考えられます。
多くの人が知っている優良企業の中にも、ソーシャルレンディングでお金を集めている所はあるかもしれません。ですがそういう優良企業はそもそも信用があるので、配当率も低く、募集枠も少ないのですぐに埋まります。あなたが「まだ空いている」と見つけられる案件ほど、条件が良くない側に寄っていくということです。
「創業間もない企業は信用が無いから仕方ない」という説明への反論
「創立して間もない企業は信用が無いので、このようなサービスを使って高金利でも金を借りるしかない」という意見もありますが、私にはこれがシックリきません。
創立して間もないスタートアップ企業でも、日本政策金融公庫には創業時に低金利で融資してくれる制度がありますし、その企業の業務内容や将来性が有望であれば、低利で貸してくれる機関やエンジェル投資家(創業期の会社に自己資金を出す個人投資家のこと)は見つかると思います。
私自身、不動産会社を20年経営してきて、金融機関からの資金調達を何度も経験しています。事業に中身があれば、まず銀行と公庫に行くのが順番です。その順番を飛ばして、顔も知らない個人から年10%で集めている。その理由を説明できない案件は、それだけで判断材料になります。
数ある投資商品の中で、あえて選ぶメリットが分からない
数ある投資商品やサービスの中で、あえてソーシャルレンディングを選ぶメリットが私には分かりません。特段利回りが高い訳でもなく、サービスが優れている訳でもない。ソーシャルレンディングより堅実で利回りにも期待できる商品は他にもあります。
私が繰り返し書いてきたのは、投資の基本は金融機関の商品を買うことだという一点です。金融機関以外が募集をかける一口単位の案件は、それだけで詐欺リスクが上がります。
そしてもう一つ。ここ最近、ソーシャルレンディングで資金を募るも、実際は企業の社長が借りた資金を私的に流用したという事実もあります。ICOとまでは言いませんが、リスクはそれなりに高い投資と言わざるを得ません。
2018年以降に起きたこと|「他人にお金を貸す商品」の共通した壊れ方
私がこの記事の元になる考えを書いたのは2018年です。そこから今日までの流れを並べると、危険の中身がはっきりします。
- 2018年から2019年ごろ|報道によれば、国内大手のソーシャルレンディング事業者であるmaneo(マネオ)のグループ会社が行政処分を受け、募集時の説明と実際の資金の使われ方が違っていた問題が表面化しました
- 2021年ごろ|報道によれば、大手金融グループが手がけていたSBIソーシャルレンディングも、貸付先の資金使途をめぐる問題からサービスを終えることになりました
- 2026年9月|年利7%をうたって多額の資金を集めた不動産ファンドの運営会社が、大阪府から事業許可の取り消し処分を受けました。詳しくは「みんなで大家さん」の許可取り消しについて書いた記事にまとめています
商品名も仕組みも違いますが、壊れ方は同じです。集めたお金が説明どおりに使われているかどうかを、出した本人が確認できない。そして問題が表面化するのは、分配が止まったあとです。
ここを間違えないでください
行政の登録や許可は「この業者に出せば安全」という保証ではありません。行政が調べて処分を出すのは、問題が起きて被害が具体化したあとです。
行政は最後に記録を残してくれますが、あなたのお金を先回りして守ってはくれません。守れるのは、出す前のご自身の確認だけです。
※上記のうち事業者名を挙げた部分は、報道されている行政処分やサービス終了という公開情報の整理であり、特定の企業を詐欺と断定するものではありません。個別の詳細は金融庁など監督官庁の公表資料でご確認ください。
実話|フィリピンの月利1%案件を見送った話
だいぶ前の話ですが、私の元にもフィリピンのレンディング投資案件の話が入りました。
確か月利1%保証で、融資先はフィリピンの企業や個人とだけ説明されました。まともな案内資料もなく、投資に値しないと判断して見送りました。
その後、実際に投資した人から話を聞くと、運営会社の杜撰な管理体制と私的流用により、案件は破綻して、被害者は泣き寝入りしたそうです。
私が見送った判断基準は難しいものではありません。資料が無い。融資先が具体的に分からない。保証という言葉だけが先に来る。この3つが揃った時点で、中身を検討する以前の話です。
東南アジア案件の被害者が、なぜか全員日本人という現実
フィリピン以外にもタイやカンボジア、ミャンマーにバングラデッシュと、東南アジアは詐欺案件のオンパレード状態です。
しかも被害者は現地の国民ではなく、何故か全員が日本人。日本人は海外投資案件に弱く、ちょっと考えればあり得ないスキームと利回りでも、舞台が海外だと信用してお金を投じてしまう傾向があります。
そして海外の案件は、破綻したあとに打つ手がほとんどありません。私が海外のマイニングファーム投資について書いた記事でも触れましたが、事業会社が破綻したり、資金や設備の持ち逃げがあっても投資家はどうすることもできません。紹介者から破綻を知らされて、何の行動も起こせずに泣き寝入りで終わる。警察や弁護士も、海外案件には積極的に動いてくれません。
私は自分が全くコントロールできない案件には投資しません。海外レンディングは、その最たる例です。
今日やること|出す前に確認する6項目
すでに検討中の案件がある方、あるいは知人から話を持ちかけられている方は、次の6つを確認してください。ひとつでも答えられないものがあれば、その時点で見送る理由になります。
- 借り手は誰か|貸付先の企業名と事業内容が、募集資料で具体的に分かるか
- なぜ銀行から借りないのか|年10%前後を払ってまで個人から集める理由が説明されているか
- 返済の原資は何か|利息はどの売上・収益から払われるのか。新しく集めた出資金に頼っていないか
- 途中で下りられるか|満期まで解約できないのか。延長の条項が入っていないか
- 運営会社の記録|社名で検索して、行政処分や指導、遅延・延滞の履歴が出てこないか
- 誰から聞いた話か|友人・知人・セミナーからの紹介なら、その人に紹介料が入る仕組みではないか
最後の項目は特に大事です。月額数万円の会費を払って投資コミュニティに所属している方について書いた記事でも触れましたが、会費を払って教えてもらう案件が、実は誰でも直接申し込めるサービスだったという話は珍しくありません。紹介する側に報酬が発生する案件は、勧める理由があなたの利益とは別のところにあります。
それでもやるなら|最悪ゼロでも構わない範囲で
やるかやらないかを決めるのはあなたです。私はやりませんが、他人の投資を止める権利はありません。
ただし条件をひとつだけ書いておきます。最悪0になっても仕方ないと思えるお金の範囲内で投資するようにしましょう(私はそんな投資絶対に嫌やけど、笑)
生活費、教育費、老後資金、それから借りたお金。これらを回してはいけません。分配金が止まってから許可取り消しのような処分に至るまで、1年以上かかることもあります。その間、お金は動かせないと考えておくべきです。
そして、高い利回りに心が動いたときほど、他の投資も同じ目で見直してください。私は私募のFX案件や自動売買システムについても同じことを書いています。100万円出せば毎月3%の配当、といった話は形を変えて何度でも出てきます。
まとめ|危険の正体は利回りではなく「確認できないこと」
まとめると、日本国内であえてレンディング投資するメリットは低いし、海外のレンディング投資はほとんどが詐欺ということです。
危険の正体は、年10%という数字そのものではありません。そのお金が誰に貸され、何の収益から利息が払われているのかを、出した本人が確認できないことです。確認できない商品は、うまくいっているのか壊れているのかも分かりません。分かるのは、止まったあとです。
もう少し正しい情報を集めて知識をつけ、ソーシャルレンディング投資よりも魅力ある商品に投資することをお勧めします。金融機関が扱う商品から始めるだけでも、選択肢は十分にあります。
※本記事は公開情報と私自身の経験に基づく注意喚起であり、特定の企業や商品を詐欺と断定するものではありません。投資の成果を保証するものでもなく、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。税務の取り扱いについては税理士または税務署にご確認ください。
副業・投資の判断に迷ったら
私は数千万円を騙された経験と、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営してきた立場から、副業と投資の「本物と偽物」を見極める物差しをお伝えしています。
※販売・勧誘・譲渡のお取次は一切行っていません。







