子供が生まれると、まわりから当たり前のようにこう言われます。
「とりあえず学資保険に入っておきなさい」
「ゆうちょで相談してきたら」
私はこれまで、投資副業サロン(コアメンバー)を12年続け、500名を超える方のお金の相談を間近で見てきました。自分自身も数千万円を騙された経験があり、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営しています。その立場から正直に書きます。私は自分の子供のために保険には入っていますが、ゆうちょ銀行の学資保険も、大手生保の学資保険も、一本も契約していません。
この記事では、学資保険がいらないと私が考える理由を、返戻率という数字と、支払期間の長さという構造の両面から説明します。返戻率とは、支払った保険料の合計に対して、最終的にいくら受け取れるかの割合のことです。110%なら、100万円払って110万円戻ってくるという意味になります。
そのうえで、学資保険の代わりに何を考えればいいのか、家族が「学資保険は当たり前」と思い込んでいる場合にどう話せばいいのかまで書きます。批判だけして終わりにはしません。
結論:学資保険がいらない理由は「増えない・長い・インフレに弱い」の3つ
先に結論を書きます。日本の学資保険の弱点は、突き詰めると次の3つです。
- 支払期間が長い(多くが10年以上、満期まで20年前後)
- 返戻率が悪い(増える幅がごくわずか)
- インフレに弱い(物価が上がっても受取額は増えない)
私は正直に言って、日本の学資保険に加入するメリットが一つも見つかりません。デメリットはいくらでも挙げられるのに、です。銀行にただ寝かせておくよりはマシかもしれませんが、それだけの理由で20年を拘束されるのは、私には割に合わない選択に見えます。
理由1:20年払って10%しか増えない返戻率の中身
学資保険の比較サイトを見ると、「返戻率ナンバー1」という言葉が並んでいます。ところが当時、そのナンバー1として持ち上げられていたソニー生命の学資保険でも、返戻率は110%でした。
20年支払って、増えるのはわずか10%です。
私はこの数字を見て、契約者を舐めているとしか思えませんでした。ただ、日本国内の金融商品と、その常識にどっぷり染まっている人にとっては、これが妥当な水準に見えてしまう。0.001%という普通預金の金利に文句も言わず、必要以上のお金を銀行に預けたままにしている国民性を考えれば、無理もない話ではあります。
比較サイトで「A社は1%高い」「B社の方が2%有利だ」と見比べている姿を見ると、私はどうしても、比べる土俵そのものが狭いのではないかと思ってしまいます。
参考までに、日本と海外の商品で返戻率がどれだけ違うのかは学資保険は日本と海外で返戻率がこんなにも違うと学資保険や死亡保障付貯蓄型保険は圧倒的に海外商品の方が良いにも書いています。
理由2:支払期間の長さとインフレという二重の縛り
返戻率が低いことよりも、私が問題だと思っているのは支払期間の長さです。10年、15年、20年とお金を預けたまま動かせない。その長さに対して、増えるのが10%程度というのは、時間の使い方としてあまりに効率が悪い。
さらに、学資保険は契約した時点で将来の受取額が決まります。つまり、その間に物価が上がっても、受け取る金額は増えません。大学の学費や仕送りの金額が20年後にいくらになっているかは誰にも分かりませんが、学資保険の受取額だけは今日の水準で固定されてしまいます。これがインフレに弱いという意味です。
教育費という性格上、リスクの高い運用は避けるべきだという意見には私も賛成です。ただ、堅実で安定した資産形成が目的なのだとしたら、なおさら「増えない・長い・固定される」商品を選ぶ理由にはならないはずです。
理由3:「子供が生まれたらゆうちょで学資保険」はバブル期の常識のまま
「子供ができたからゆうちょ銀行に口座を作って学資保険を始めましょう」
この発想は、バブル期にゆうちょ銀行の普通預金金利が7%あった時代の話です。預けておけば勝手に増えた時代の常識が、そのまま親から子へ受け継がれている。いまや普通預金の金利など0に等しく、学資保険の運用利回りもすずめの涙程度で、ほとんど増えません。
それでも「子供が生まれた=ゆうちょで学資保険でも始めようか」としか思いつかないのであれば、お金に関する思考が完全に止まっている状態です。
なぜゆうちょを選ぶのか。答えは簡単で、それしか知らないからです。それしか知らず、考える時間も意欲もないので、知ろうという努力もしない。厳しい言い方になりますが、無知は損です。知らない人は搾取されて当然という世界が、金融の世界には確かにあります。
実際に国内の保険会社でシミュレーションを取ってみた記録はこどもの教育資金積立を日本の某保険会社でシミュレーションしてみましたに残していますので、数字で確かめたい方は見てみてください。
私が学資保険を一本も契約していない理由
私自身は、子供のためにいくつか保険に入っています。ただし、返戻率103%というゆうちょ銀行の学資保険も、返戻率118%という某外資系保険会社の学資保険も、契約していません。20年近い時間を預けて、その程度しか動かないのであれば、私は別の使い道を選びます。
私は自分の子供に、早いうちからお金の教育を始めています。そこで「貯蓄は美徳」とは絶対に教えません。金利がほぼ0の銀行に預けっぱなしにすること、増えない学資保険を契約することが、どれだけ意味のない行為なのかを話しています。ゆうちょ銀行で学資保険を組むというのは、子供に貯蓄は美徳だと教え込むようなものだと私は思っています。
もう一つ、現場で見てきて一番面倒だと感じるのは、本人ではなく周囲が思考停止しているケースです。親や配偶者が「持ち家は当たり前」「ゆうちょの学資保険は当たり前」と信じ切っている。相談を受けていると、正直これが一番多い気がします。この場合、商品の良し悪しを説明する前に、なぜそう思うのかを一緒にほどいていく作業が必要になります。
学資保険の代わりに何を考えるか
1. 積立投資という選択肢
日本の学資保険に加入するくらいなら、私はつみたてNISAで投資信託を買う方がまだ魅力があると考えています。もちろん値動きはありますし、元本が保証されているわけではありません。教育費という使い道を考えるなら、必要な時期と金額を先に決めたうえで、取れるリスクの範囲を家庭ごとに決める必要があります。
2. 海外の貯蓄型保険という選択肢
マネーリテラシーが高い人は、学資という目的においても海外の保険を選んでいます。少し海外に目を向ければ、15年で40%、20年で100%といった水準の商品が存在します。同じ掛け金でも、資産の増え方が雲泥の差になるのはこのためです。
面白いのは、日本の生保業界で働いている人たちの動きです。彼らは営業でお客様に海外商品を勧めることはできませんが、家族や身近な友人には、返戻率の高い海外の商品を勧めているという話を私は何度も聞いてきました。
海外の貯蓄型保険がどういう仕組みなのかは、香港保険サンライフ・CTFライフの主要商品完全ガイドにまとめています。
3. 子供の教育そのものにお金を使う
これは私の考えですが、ゆうちょ銀行で学資保険を組むくらいなら、その分を英語やプログラミングの塾代に使ってスキルを伸ばしてあげる方が、よほど将来のためになると思っています。20年で10%増やすことと、子供が食べていける力を身につけることを比べたら、どちらが将来の家計を助けるかは考えるまでもありません。
海外商品を検討する前に必ず確認してください
海外(オフショア)の商品は、会社ごとに新規契約の可否や条件が大きく変わります。たとえばRL360は2026年5月に日本人の新規受付を停止しました。本記事には当時の情報も含みますので、最新の契約可否・条件は必ずご自身で確認してください。
返戻率や利回りは将来を保証するものではありません。税務の取り扱いについては、必ず税理士または税務署にご確認ください。
私は商品の販売・勧誘・お取次は一切行っていません。
今日からできること
学資保険をやめるかどうかを今すぐ決める必要はありません。まずは次の3つだけやってみてください。
- いま検討中(または契約中)の学資保険の返戻率と、支払期間の年数を紙に書き出す
- その年数を預けて増える金額が、自分の労働時間に見合うかを考える
- 国内商品だけでなく、他にどんな選択肢があるのかを一度並べて比較する
大事なのは、比較する土俵を広げることです。国内の学資保険同士で1%や2%を比べていても、選択肢はそこから広がりません。できるだけ良いアドバイザーと、国内外の投資経験がある仲間を見つけて、より多くの選択肢から比較検討してください。子供のことを真剣に考えているのであれば、お金や保険についても真剣に学ぶべきです。
まとめ:学資保険がいらない理由は「知らないまま選ばされる」から
学資保険そのものが悪だと言いたいのではありません。問題は、他の選択肢を一つも知らないまま、周囲に言われるがまま20年の契約にサインしてしまうことです。
返戻率110%、20年でわずか10%。支払期間は長く、インフレが来ても受取額は変わらない。それを理解したうえで、それでも確実性を優先して選ぶのなら、それは立派な判断です。理解しないまま契約するのが問題なのです。
金融のグローバル化が当たり前になっている今でも、日本人はお金についてグローバルな考えや選択ができていません。長いものには巻かれろという習慣が染み付いていて、保険という投資商品においても、日本のものが安全で安心だと思い込んでいる。機会損失とは、まさにこのことです。
広い視野を持って比べるだけで、同じ掛け金でも子供に残せるお金は変わります。まずは、比べる場所を変えてみてください。
副業・投資の判断に迷ったら
私は数千万円を騙された経験と、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営してきた立場から、副業と投資の「本物と偽物」を見極める物差しをお伝えしています。
※販売・勧誘・譲渡のお取次は一切行っていません。







