「香港口座って、いま持っていて意味があるの?」
「HSBC香港の口座を放置しているけど、解約した方がいいのか分からない」
10年ほど前の口座開設ブームで作ったまま、使い方も出口も分からなくなっている方から、私のもとには今も相談が届きます。
先に結論をお伝えします。
香港口座は「使う目的がある人」には今も価値がありますが、「なんとなく持っている人」にとっては、放置が一番の損です。
この記事では、HSBC香港口座で今できること、できないこと、放置したときに起きること、そして解約を考えるときの順番を、私の経験の範囲でお伝えします。
なお、銀行のルールは頻繁に変わります。
ここに書くのは私が実際に見聞きしてきた範囲であり、最新の条件は必ず銀行公式で確認してください。

HSBC香港とはどんな銀行か
HSBC香港は、1865年に香港で設立された銀行で、香港上海銀行の略称です。
グループ本社はロンドンにありますが、グループの利益のおよそ3割が香港から生まれるほど、香港は最重要拠点です。
私の記事で整理した2024年時点の格付けは、S&PがAA-、フィッチがAA-、ムーディーズがAa3。
日本の三菱UFJ銀行がA前後なので、ワンランク上の評価です。
香港では最大の銀行で、香港ドルの紙幣を発行する権利も持っています。
つまり「潰れにくさ」という点では、世界でもトップクラスの銀行です。
ただし、銀行が安全であることと、あなたの口座が安全に維持されることは、まったく別の話です。
銀行の格付けは高い。でも口座を殺すのは、銀行ではなくあなたの放置です。
香港口座で「できること」
私の記事で挙げてきたメリットは、大きく4つです。
・複数の通貨を一つの口座で持てる:香港ドル、米ドル、人民元、円などを一つの口座で管理でき、円だけに偏らない資産の持ち方ができます
・海外送金や海外投資の通り道になる:海外の保険や積立の受け取り先、留学や海外ビジネスの資金の出入口として使えます
・外貨の預金が保護される:香港の預金保護制度では、80万香港ドルまで、通貨を問わず利息も含めて保護されます。日本では外貨預金は保護の対象外です
・投資商品の選択肢が広い:日本では買えないファンドや外貨建て商品にアクセスできます
私が特に強調してきたのは、最後の点です。
香港口座を「オフショア商品の将来の受け取り先」としか説明しない人は二流だと、私は昔から書いてきました。
口座の中で外貨を運用する使い方を知っているかどうかで、口座の価値はまったく変わります。
HSBC香港(香港上海銀行)の口座は安心なのか?日本人が知っておくべき全知識
香港口座で「できないこと」「変わったこと」
一方で、10年前と今では、できないことが増えました。
① 新規開設は実質終了
私の記事で書いた通り、2025年にHSBC香港は外国人の口座開設を制限しました。
正確には、プレミア口座という最上位の種別のみ受け付ける形で、開設と同時に100万香港ドル(約1,900万円)の入金が必要です。
これで、一般の日本人がHSBC香港の口座を新しく作る道は、実質的に閉じました。
また、スタンダードチャータード香港も新規受付を停止しています。
② 郵送やオンラインでの開設は不可
かつては郵送での開設ができた時期もありましたが、今は厳格な本人確認が求められ、現地での対面が必須です。
「郵送で簡単に海外口座が作れます」という勧誘は、その時点で疑ってください。
③ 日本語のサポートは期待できない
オンラインバンキングもカスタマーサポートも、基本は英語か中国語です。
私の記事で書いたトラブル例を一つ。
スマホアプリの顔認証や指紋認証を連続で失敗すると、即座に口座がロックされます。
解除するには、本人が英語で電話するか、香港の窓口を訪問するしかありません。
英語が苦手な仲間は、アプリではなく小さな電卓のようなセキュリティデバイスを使っています。
ただし、このデバイスも4〜5年で電池が切れるので、定期的な交換が必要です。
HSBC香港の口座は「持っている」だけでは価値がなく、「自分で操作して維持できる」人だけが使いこなせます。
開設ブームの頃に求められていたもの
新規開設が実質終了した今、参考情報になりますが、なぜ多くの人が「作ったまま使えない」状態に陥ったのかを理解するために書いておきます。
私の記事で整理した、香港の銀行で口座を開くときの主な書類は2つでした。
・国際運転免許証(住所証明として使われる)
・英文の銀行残高証明書
国際運転免許証は、住所のローマ字表記、建物名と部屋番号、氏名のスペルに一つでも誤りがあると、どんなサポートがあっても開設が認められないケースがほとんどでした。
そして、日本人が直接窓口に行って「口座を作りたい」と言っても受け付けてもらえず、現地のサポート会社を通す必要がありました。
問題は、このサポート会社や紹介者の多くが、開設後のフォローをしなかったことです。
さらに私が昔から書いてきた通り、口座開設の手数料を無料にする代わりに、20年25年の長期積立を契約させる手口が横行していました。
その結果、「使い方を誰にも教わらないまま、必要のない口座と積立だけが残った」という人が大量に生まれたのです。
今この記事を読んでいるあなたが、その一人だとしても、恥じることはありません。
大事なのは、ここから口座をどう扱うかです。
香港銀行口座開設に必要な書類と注意点
「香港口座が作れないなら」と出てくる怪しい話
HSBC香港の門が閉じたことで、別の勧誘が増えています。
「東南アジアの銀行なら郵送で口座が作れる」
「年5%、10%の高金利の定期預金がある」
私の記事で名前を挙げてきたのは、フィリピンの小規模な銀行や、オウンバンク、アジアンバンクといった、実態がよく分からない「銀行もどき」です。
こうした先には、預金保護の仕組みが不十分、経営状況が不透明、いざというときに出金できないといったリスクが指摘されています。
海外の銀行口座を持つ意味は、日本より安全な場所に外貨を置くことです。
日本より危ない場所に置いたら、本末転倒です。
もし海外の口座を新しく検討するなら、私の記事で書いた通り、世界的に信用のある大手銀行に絞ってください。
「高金利」と「郵送で簡単」が同時に出てきたら、その口座は作らない。これだけで大半の失敗は防げます。
放置すると何が起きるか
ここが、この記事でいちばん大事な部分です。
私の記事で繰り返し注意してきた通り、香港の銀行口座は定期的に「動かす」必要があります。
私の経験では、年に1回以上、ATMでの入金か出金が必要でした。
ここで注意点があります。
・外貨預金や投資信託の売買は「動かした」ことになりません
・海外保険や積立の自動引き落としもカウントされません
・あくまで、本人による入金か出金が必要です
放置した口座は、まず凍結され、次に強制解約されます。
一度解約されると、今の開設条件では再開設はほぼ不可能です。
私の記事でも、2025年の時点で「香港の銀行で口座解約、凍結祭りが始まる」と書きました。
ある大手銀行では香港に住んでいない人の口座を一斉に解約する方針が出ており、HSBCでも銀行からの案内を読まずに放置している口座は凍結の対象になると見ています。
自分の口座が生きているか確認する簡単な方法は、日本のセブンイレブンのATMで出金を試すことです。
暗証番号が合っているのに出金がエラーになるなら、口座が凍結されているか、海外での出金制限がゼロに設定されています。
出金制限ならネットバンキングで直せますが、凍結の解除はかなり面倒です。
年に1回、セブンイレブンで数千円を出金する。それだけで口座は生き続けます。
香港銀行口座放置で凍結者が相次いでます
持ち続けるなら「口座の中で使う」
維持すると決めたなら、ただ生かしておくだけではもったいない。
私が昔から書いてきた通り、HSBC香港の口座には投資口座という機能があり、日本では買えないファンドや外貨建ての商品を口座の中で買うことができます。
大きなお金を入れていなくても、できることはあります。
私の記事でも、「10年前に開設したけれど使い方を教わっていない」という相談をコアメンバー参加後によく受けると書きました。
こうした口座の使い方は、紹介者に1円の報酬も入らないため、正しい情報がほとんど出回っていません。
だからこそ、口座を持っている人の中でも、使いこなせている人はごく一部です。
香港口座の価値は「持っていること」ではなく「口座の中で何をするか」で決まります。
なお、投資口座で売買しても口座を「動かした」ことにはならないので、年1回の入出金は別に必要です。
この点は混同しやすいので、改めて書いておきます。
解約を考えるときの順番
「もう使わないので解約したい」という相談も増えています。
解約の具体的な手続きは銀行のルールと個人の状況で変わるので、最新は銀行公式で確認していただくとして、ここでは私の経験からくる「考え方の順番」をお伝えします。
① 先に「本当に使い道がないか」を確認する
海外の保険や積立を持っている人は、将来の受け取り先としてこの口座が必要になることがあります。
解約してから「受け取り口座がない」と困る人を見てきました。
② 残高の行き先を決めてから動く
口座を閉じる前に、残っている外貨をどこに移すかを決めてください。
日本の銀行で外貨のまま受け取れるか、円に替えるならどのタイミングか。
送金の操作を何度もエラーにすると、それ自体が口座ロックの原因になります。
私の記事で書いた通り、HSBC香港のネットバンキングの送金は、操作開始から完了までおよそ100秒以内に終える必要があり、慣れていない人は時間切れになりがちです。
③ 手続きは本人が行う
口座に関する電話や窓口の手続きは、本人が行うのが原則です。
英語ができる知人に代わりに電話してもらう人がいますが、第三者だと分かった時点で口座がロックされ、最悪は強制解約になる恐れがあります。
④ 税務の確認
日本の居住者は、海外口座の利息や運用益を日本で申告する必要があります。
一定額以上の海外資産には国外財産調書の提出義務もあります。
解約時に大きな金額を日本に戻すなら、税理士に確認してから動いてください。
「放置して勝手に解約される」より、「自分で決めて閉じる」方が、はるかに傷が浅く済みます。
香港の銀行で口座解約、凍結祭りが始まります
本当に香港口座が必要な人
私の記事で挙げてきた「向いている人」は、次のような方です。
・外貨の資産を、日本の銀行とは別の場所で分けて持ちたい人
・香港やアジアへの送金、投資の予定がある人
・海外の保険や積立の受け取り先が必要な人
・日本の銀行だけに依存したくない、と本気で考えている人
逆に、次のような方には向いていません。
・英語の画面や電話に、自分で向き合う気持ちがない
・年に1回の入出金すら面倒に感じる
・「みんな持っているから」が保有の理由になっている
・口座の中で何をするか、具体的に説明できない
10年前の口座開設ブームでは、紹介者に連れられて必要のない口座を作り、そのまま放置している人が大勢います。
口座開設とセットで長期の積立を契約させられた人も、少なくありません。
その口座を今どうするかは、あなた自身が決めることです。
よくある質問
Q1. いまから新しくHSBC香港の口座を作れますか?
私の記事で書いた通り、2025年以降は実質的に閉じています。プレミア口座のみで、開設時に100万香港ドルの入金が必要です。最新の条件は銀行公式で確認してください。
Q2. 残高が少ないのですが、それでも維持する価値はありますか?
私の経験では、金額の大小より「使う目的があるか」で決めるべきです。将来の受け取り先として必要なら、少額でも年1回の入出金で維持する価値があります。
Q3. 凍結されてしまいました。解除できますか?
解除の方法はあります。ただし本人が銀行とやり取りする必要があり、手順は状況によって変わります。まずは銀行に本人が連絡することが第一歩です。
Q4. 解約したら、香港への入国に影響しますか?
私の記事で、強制解約された場合に将来の入国に影響が出る可能性に触れました。自分の意思で正しく解約した場合とは事情が違うので、この点でも「放置」より「自分で閉じる」を勧めます。
まとめ
HSBC香港の口座は、銀行としての安全性は高く、複数通貨や外貨預金の保護など、日本の銀行にはない使い道があります。
一方で、新規開設は実質終了し、放置すれば凍結、強制解約という現実もあります。
持ち続けるなら年1回の入出金で生かす。
使い道がないなら、残高の行き先と税務を確認してから自分で閉じる。
どちらを選ぶにしても、「なんとなく放置」だけは避けてください。
私が12年運営しているコアメンバーでは、香港口座の維持方法や凍結時の対応、条件変更の最新情報を仲間と共有しています。
口座をどうするか迷っている方は、一人で抱え込む前にこちらをご覧ください。
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