香港の銀行口座が凍結された、あるいは解約されそうで困っている。そんな相談が、ここ数年ずっと私のところに届き続けています。
投資家のJACKです。私は数千万円を騙された経験があり、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営し、投資副業サロン「コアメンバー」は12年目、累計500名を超える方と関わってきました。その中で、香港に銀行口座を持ったまま何年も放置している人を、本当に数え切れないほど見てきました。
10年ほど前の口座開設ブームで、とりあえず作ったけれど活用できていない人。海外で積立や保険を契約していて、将来受け取るときに使う予定の人。ログイン情報を忘れて、そのまま放置している人。おそらく、活用できていない人の方が多いと思います。
この記事では、香港の銀行口座がなぜ凍結されるのか、凍結されているかどうかをどう確認するのか、そして凍結させないために何をすればいいのかを、私が現場で見てきた実例を交えて整理します。
結論。香港の口座は作るのは簡単、維持が難しい
先に結論から書きます。HSBC香港をはじめとする海外銀行の口座は、開設そのものは今でもできますが、維持が難しいのです。ここを理解していない人が、あとで痛い目に遭います。
海外の金融機関やサービスは、日本語対応は不可です。日本の銀行のような柔軟な対応もしてくれません。期限を守らなければアウト。担当者によって言われることがチグハグ。言った言わないの落ち度は、常にこちら側です。理不尽に感じることも多々あります。
銀行口座や金融商品としては日本以上の価値と魅力がある反面で、常に最新情報や変更事項に目を光らせておく必要がある。これが海外口座の実像です。日本の常識やルールは全く通用しません。
香港の銀行口座が凍結される3つの理由
1. 口座を長期間動かしていない
これが最も多いパターンです。香港の銀行口座は、定期的に口座を動かす必要があります。年に1回以上はATMで入出金を行う必要があるのですが、コロナが明けても海外や香港に行く機会がなく、意識が薄れてしまっている方が非常に多いのです。
そして、ここが落とし穴なのですが、口座を動かすといっても外貨預金や投資信託を買うのはカウントされません。あくまで入金か出金をしなくてはいけません。オフショアの長期積立や海外保険の自動引き落としも、動かしたことにはカウントされないので注意してください。「毎月積立の引き落としがあるから大丈夫」と思い込んでいる人が、いちばん危ないということです。
半年以上まったく口座を触っていない人は、凍結リスクがあると考えてください。ネットバンキングを全く触っていない人も要注意です。
2. 銀行からの連絡を無視している
HSBC香港は、口座保持者に対してランダムに電話をかけてくるとも聞いたことがあります。レターやメールでの案内も届きます。この連絡をスルーし続けている口座が、凍結の対象になります。
もし電話がかかってくれば、拒否することのないよう電話に出ることをお勧めします。拒否が続くと凍結されてしまうことがあります。
3. 本人確認や追加書類に対応できない
当時、2016年にHSBC香港はセーフガードと呼ばれるマネーロンダリング・詐欺・不正な資金移動への対策を公式に発表しました。マネーロンダリングとは、犯罪で得たお金の出どころを分からなくする行為のことです。この対策は個人口座、法人口座を持っている全ての方が対象で、HSBC香港から電話もしくはメールで連絡が来ることがあるという内容でした。
連絡が来た際には、本人情報の確認や追加証明書の提出などを促されます。そのとき電話で英語もしくは中国語でのコミュニケーションが取れなければ、口座は凍結されてしまう可能性があるということです。HSBC香港の基本方針として、口座保有者には英語か中国語でのコミュニケーション能力が求められます。
メールやレターであれば、翻訳ソフトを使ったり英語ができる友人に聞いたりしながら対応ができると思います。しかし電話だったらアウトですね。
実話。知人のHSBC香港口座が凍結、強制閉鎖されました
実際にあった話をします。私の知人のHSBC香港口座が凍結され、強制閉鎖されました。
何度かHSBCから電話がかかってきていたようですが、英語が話せないという理由で受話せず、レターすらもよく見ていませんでした。自業自得とも言えますね。
この知人は数百万円のお金を預けていたようです。強制解約された後に窓口で行員を怒鳴り散らしても、全く解決しないどころか、そんなことをすれば現地の警察に連行されてしまいます。日本の感覚で「話せば何とかなる」は通用しないのです。
一度解約されると、再度開設するのは非常に困難です。
さらに、強制解約が行われた場合、将来的に香港への入国が制限される可能性もあると言われています。「また作ればいい」で済む話ではありません。
皆さんが日本の銀行の行員だったとして、口座を開設しに来た外国の方が全く日本語を理解できなかったら、お引き取りくださいと言いますよね。よほど多額の資金を預けてくれる人なら専属の通訳を付けるなどして対応するかもしれませんが、ほとんど預金もせず、口座内の資金も動かさず、言葉も喋れないとなれば、銀行としてはそんな口座は閉じたいと思っているはずです。銀行側の立場で考えれば、当たり前の話なのです。
解約と凍結の波は、実際に来ています
2025年の暮れ、私はブログで「来年から香港銀行口座の解約・凍結祭りが始まる見込みです」と書きました。当時つかんでいた話として、とある大手銀行では香港居住外の口座を一斉解約することが決まっていましたし、最も口座数が多いHSBCでも、先方からの案内を読まずにスルーしている口座は凍結されるだろうと見ていたからです。
残念ですが、多くの日本人の銀行口座が解約されていくでしょう。いつのまにか、金融商品や保険が解約になっている人もいるかもしれません。そしてそれは全て、自分の怠慢と判断ミスが招いた結果です。
なお、外国人の新規開設についても状況は変わってきています。詳しくは外国人のHSBC香港口座開設は制限されましたにまとめています。
自分の口座が凍結していないか確認する方法
「うちの口座は大丈夫だろうか」と不安になった方へ。確認方法はシンプルです。
日本のセブンイレブンのATMで出金ができるかどうかを試してみてください。暗証番号が合っているのに出金がエラーになるようでしたら、口座が凍結されているか、海外での出金制限がゼロになっている可能性があります。
出金制限がゼロになっているだけであれば、ネットバンキングから簡単に設定を戻せます。しかし凍結解除となると、かなりややこしいのが実情です。
ログインIDやパスワードを忘れている、エラーで進めないといった細かいつまずきについては、HSBC香港口座のトラブルシューティング完全ガイドも参考にしてください。
凍結させないために、今日からやること
難しいことは何もありません。当たり前のことを当たり前にやるだけです。
- 年に1回以上、必ず入金か出金をする。外貨預金や投資信託の購入ではカウントされない
- 定期的に少額でも預金を移動させて、口座をアクティブに保つ
- 香港ドルでの投資に使い、口座を活用しながら資産運用もする
- 国際送金を利用して、口座の利用頻度を上げる
- 銀行からの電話には出る。レターとメールは必ず開いて内容を確認する
- 登録している住所・電話番号・メールアドレスが今のものになっているか確認する
- 最低限の英語の勉強をする
最後の項目を軽く見ないでください。海外銀行口座を開設するなら、語学の勉強くらいはしましょう。海外投資も海外口座も全てサポート会社や紹介者の言いなりで、自分では何もできないという方は、正直マネーリテラシーが低すぎると私は思います。これを機会に英語の勉強を始めても遅くはありません。
また、英語や中国語がどうしても苦手だという方は、リスクヘッジの意味合いで他の銀行口座を持っておくという考え方もあります。当時はスタンダードチャータードやハンセンといった選択肢がありました。ただし、口座をいくつも増やせば、そのぶん管理の手間も増えます。維持できる範囲にとどめてください。
そもそも、なぜ放置口座がこれほど多いのか
ここは番人として、はっきり書いておきます。
過去に多くの方が、悪徳な紹介者に連れられて香港に行き、必要でもないのに銀行口座を開設させられました。こうした口座開設は、紹介者が後のサポートをしないことが多く、結局使われずに放置されることがよくあるのです。
数年前に口座を作った時は、ツアーか何かで団体で行ったけれど、当時の知人とはもう連絡を取っていない。そういうケースが非常に多いのではないでしょうか。連れて行った側は、口座を作らせた時点で目的を達成しているのですから、その後どうなろうと関心がないわけです。
さらに、新型コロナウイルスの前にRL360などの長期積立プランを契約した多くの方が、すでに積立を停止、もしくは解約しています。これにより、口座を開設した目的そのものが失われ、ますます放置される原因となっています。
放置は、それ自体がリスクです。銀行口座は使わなければ意味がありません。HSBC香港という金融機関そのものをどう見るかについては、HSBC香港(香港上海銀行)の口座は安心なのかで整理しています。
海外銀行口座が活きてくるのは、これからです
コロナ前に海外で開設した銀行口座を、私のブログの読者であればお持ちの方も多いと思います。海外積立を契約した際にセットで開設したという人もいるでしょう。
その口座、きちんと活用できていますか。放置していたことで凍結などされていませんか。
今の円安、今の世界情勢を見てください。数年前と比較して、状況はまるっきり変わってしまいました。日本国内での投資よりも海外投資の魅力が高まっている局面です。だからこそ、いま持っている海外銀行口座は大切にしてほしいのです。
口座をしっかり活用できている人、将来的な活用方法をきちんとわかっている人が周りにいれば、いろいろアドバイスをもらってください。そういう人が周りにいないというのであれば、いまの環境そのものを変える必要があるでしょう。
なお、税金や申告の扱いについては個々の事情で変わりますので、必ず税理士や税務署に確認してください。
まとめ。情報が入る場所にいるかどうかで差がつく
香港の銀行口座が凍結される理由を、あらためて整理します。
- 年1回の入出金がなく、口座が動いていない
- 銀行からの電話・レター・メールを無視している
- 本人確認や追加書類の要求に、言語の壁で対応できていない
逆に言えば、この3つを潰しておけば、凍結される確率は大きく下がります。凍結されてから慌てるより、今日セブンイレブンのATMで出金を試すほうが、はるかに早くて確実です。
そしてもうひとつ。海外の口座や金融商品のように特殊な分野は、何かあったときに最新の情報が取れる仲間やコミュニティを持っているかどうかで結果が変わります。制度も方針も、こちらの都合とは関係なく変わっていくからです。
手前味噌ながら、私が運営するサロン「コアメンバー」では、香港の銀行や海外金融に関する最新情報が常に入る環境にあります。私が仕入れた情報や、すぐに手続きすべき内容は逐一シェアしていますし、凍結解除の進め方についても共有しています。海外銀行口座も金融商品も保険も、周りにいつでも相談できる仲間がいるというのは、本当に安心です。
口座の解約手順そのものを知りたい方はHSBC香港口座の解約手順を、これから海外に口座を持つことを検討している方は海外銀行口座開設の注意点もあわせてお読みください。
副業・投資の判断に迷ったら
私は数千万円を騙された経験と、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営してきた立場から、副業と投資の「本物と偽物」を見極める物差しをお伝えしています。
※販売・勧誘・譲渡のお取次は一切行っていません。







