1. 香港保険がふたたび注目されている理由
2026年5月現在、香港の貯蓄型保険(オフショア生命保険)は
過去10年で最も契約者特典が手厚い時期を迎えています。
米ドル建ての契約という構造上、現在の1ドル=155〜160円台という歴史的な円安水準でドル資産を仕込むのはコスト面で不利に見えますが、
商品自体の積立期間短縮キャンペーン・初年度ボーナス積み増しキャンペーン・解約返戻率の改定など、保険会社サイドが提供しているスペックは過去最高クラスの水準になっています。
長年の資産形成の経験から見ても、香港保険は「保険」というラベルこそ付いているものの、その本質は米ドル建ての長期複利運用商品です。
日本円の銀行預金が0.001〜0.3%の金利しかつかない時代に、香港の貯蓄型保険は20年・30年の長期保有でIRR(内部収益率)が年率6〜7%帯になる商品も少なくありません。
為替リスク・流動性リスク・契約手続きの煩雑さといった注意点はあるものの、日本居住者でも合法的に契約可能なオフショア商品として、再注目されています。
本記事では、2026年5月時点で サンライフ香港(Sun Life Hong Kong) と CTFライフ(旧FTライフ) が日本人向けに提供している主要商品の最新スペック、特性、メリット、注意点まで、
実際に過去に契約した経験のある投資家視点で丁寧に解説していきます。
2. 香港保険とは何か|日本の保険との根本的な違い
そもそも香港保険とは、香港の保険会社(サンライフ・CTFライフ・AIA・プルデンシャル香港・マニュライフなど)が販売する米ドル建ての貯蓄型保険商品の総称です。
日本の生命保険と最も違うのは、
「保障性商品」ではなく「貯蓄性・運用性商品」という性格が圧倒的に強い点です。
2-1. 米ドル建てが原則
契約通貨は米ドルが基本(一部商品はHKD・USDの選択可)
日本円ではなくドルで運用されるため、日本円の金融政策(マイナス金利・YCCなど)の影響を直接受けません。
2-2. 解約返戻率が圧倒的に高い
日本の終身保険・養老保険の場合、20〜30年保有しても解約返戻率は110〜130%程度がやっと。
一方で香港保険は20〜30年保有で解約返戻率が300〜800%帯になる商品もあります。これは保険会社の運用が世界株式・債券・オルタナティブに広く分散されているためです。
2-3. 保障部分が極めて薄い
「保険」と名が付いていても、死亡保障部分は契約価値の101〜105%といった水準で、純粋な保障目的では設計されていません。
保障ではなく長期積立運用のためのビークルとして捉えるのが正解です。
2-4. 世代を超えた契約承継が可能
多くの商品で 無制限の被保険者変更(チェンジ・オブ・インシュアード) が可能です。これにより、自分→子→孫と契約を引き継ぐことで、実質的な無期限の複利運用ビークルとして機能します。
日本の保険にはほぼ存在しない機能で、世代を超えた資産承継ツールとして利用される最大の理由です。
3. サンライフ香港(Sun Life Hong Kong)の主要商品
サンライフは1865年にカナダで創業された老舗の保険グループで、香港では1892年から営業を続けている 世界5大保険会社の一角 です。
S&Pの格付けは長年AA-を維持しており、財務健全性は香港保険会社のなかでもトップクラス。
日本人加入者の数も非常に多く、香港保険の代表的選択肢の一つとなっています。
3-1. Sun Brilliance(サン・ブリリアンス)
サンライフの主力貯蓄商品。払込期間2年・3年・5年の短期払いが選べる設計で、近年は日本人が契約する場合 「5年払込」で年間1万〜2万USD積立 というスタイルが主流です。
長期保有時のIRRは年6%台後半が想定されており、被保険者変更も可能。コアメンバーでも特に問い合わせの多い商品です。
3-2. Sun Vision(サン・ビジョン)
2024年〜2025年に大幅リニューアルされた次世代型貯蓄保険。
Sun Brillianceよりも 初期数年の解約返戻率カーブが改善 されており、流動性面で進化した商品。15〜20年保有でも納得感のある返戻率が出るのが特徴です。
途中で資金が必要になった場合のロス低減を意識した設計になっています。
3-3. SunJoy Global(サンジョイ・グローバル)
サンライフ香港のフラッグシップ的存在で、最大の特徴は 「複数通貨切替機能」
契約途中でUSD・HKD・GBP・EUR・JPY・CNY・AUD・CAD・SGD・MOPなど複数通貨に契約価値を切り替えることが可能です。
為替戦略を取り入れたい契約者に人気で、超長期のグローバル資産形成ビークルとして活用されます。
3-4. Stellar系(ステラ系)
Stellar Wealth Planなど、より高額の積立を行う富裕層向けの商品ラインも存在します。年間積立10万USD以上を想定したセグメントで、契約者特典が手厚い反面、求められる審査・収入要件も上がります。
4. CTFライフ(旧FTライフ)の主要商品
CTFライフは香港最大の老舗系企業 周大福(チャウ・タイ・フック/Chow Tai Fook)グループ 傘下の保険会社です。
2021年にFTライフから現在のCTFライフへとブランド変更が完了し、グループ資産規模・財務基盤ともに香港トップクラスの安定性を誇ります。商品の解約返戻率カーブが業界内でも特に高く、近年最も注目を集めている香港保険会社の一つです。
4-1. リージェントシリーズの販売終了とその後
2025年6月をもって長年の主力だった 「リージェント(Regent)シリーズ」 の販売は終了しました。これにより、現在の主力は次世代型の新シリーズに移行しています。
リージェントを保有している契約者は引き続き満期まで契約を維持できますが、新規契約は別商品から選ぶ必要があります。
4-2. MY Treasure(マイ・トレジャー)/ MY Wealth系
CTFライフが現在の主力として打ち出している貯蓄型商品ラインで、払込2年・5年・8年などの選択肢があります。長期保有時の予想IRRは6〜7%帯と高水準で、被保険者変更(最大数回まで)にも対応。
日本人申込者にとってリージェントの後継的位置づけとして人気を集めています。
4-3. WealthAchiever / WealthDual系
長期積立で 解約返戻率500〜700%超を目指せるラインで、20〜30年スパンの教育資金・老後資金準備に活用されることが多い商品。
配当(ボーナス)の積み増しが手厚く、CTFライフが「貯蓄型に強い」と言われる根拠そのものです。
4-4. Celebrity(セレブリティ)系
富裕層向けに設計された商品で、大口拠出時の特典が大きいのが特徴。
年間積立額が大きい層では、サンライフのStellar系と比較検討されるラインです。
5. サンライフ vs CTFライフ|契約者目線での比較ポイント
5-1. 財務健全性・歴史
サンライフはカナダ系で1865年創業の世界5大保険グループ。
CTFライフは香港最大級コングロマリット周大福傘下で、いずれも財務面の不安はほぼゼロと言える水準です。
「どちらを選んでも経営破綻リスクはほぼ無視できる」と考えてOKです。
5-2. 想定IRR・解約返戻率
純粋に長期IRRだけで比較すると、近年はCTFライフがやや高水準を提示する傾向。
サンライフは安定感・グローバル展開力・ブランド力で勝り、長期にわたって安心感を持ちたい契約者から支持されています。
5-3. 通貨切替機能
サンライフのSunJoy Globalは 10通貨切替対応 で、為替戦略を契約後にも仕込める柔軟性が際立ちます。
CTFライフは商品によって通貨切替の柔軟性に差があります。
5-4. キャンペーン・初年度特典
2026年5月時点では 両社ともに初年度プレミアム割引・解約返戻率の上乗せキャンペーンを実施中
タイミング次第で同じ商品でも返戻率が変わるため、見積もり時期は重要です。
6. 日本人が香港保険を契約する方法
6-1. 香港現地での対面契約が必須
香港保険は 香港現地での対面契約が原則。書類のサイン、IDチェック、健康診断(必要な場合)、銀行口座開設まで含めて、最低でも香港に2〜3泊の渡航が必要です。
日本国内で完結する「オンライン契約」「日本のIFA経由のリモート契約」も臨機応変にできる場合があります。
6-2. 香港銀行口座の開設はケースバイケース
保険料の引き落とし口座として香港の銀行口座が利用できます。
HSBC・スタンダードチャータード・中国銀行(香港)などが選択肢ですが、近年は外国人の口座開設審査が厳しくなっており、事前準備(住所証明・職業証明・収入証明)が不可欠です。
6-3. 信頼できるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)経由が王道
香港保険は基本的にIFA(独立系仲介業者)を通じて契約します。
IFAの質によって契約後のアフターサポート(住所変更・契約者変更・解約手続き)の質が大きく変わるため、「日本語サポート」「契約後の連絡が確実に取れる」「過去実績がある」業者を選ぶことが極めて重要です。
7. 香港保険のメリット・デメリットを冷静に整理
7-1. メリット
最大のメリットは 長期複利による高い期待リターン。日本円の銀行預金や日本の生命保険では到底実現できない水準の解約返戻率が、20〜30年スパンで現実的に狙えます。
さらに 無制限の被保険者変更による世代承継機能、米ドル建てによる円リスク分散効果、複数通貨切替による為替戦略の柔軟性といった、日本商品にはない強みが揃います。
7-2. デメリット・注意点
一方でデメリットも明確です。
まず 為替リスク。米ドル建てなので、円高に振れた場面で円換算評価額が大きく下がります。
次に 流動性リスク。短期解約(10年未満)の場合、解約返戻率が払込元本を大幅に下回るケースがほとんどです。
さらに 契約手続きの煩雑さ、悪徳IFA・違法紹介者によるトラブル、税務処理の複雑さ(雑所得扱い・確定申告が必要なケース)といった実務面の壁も少なくありません。
8. 契約前に必ず確認すべきチェックリスト
香港保険の契約を検討する際は、以下の5項目を 必ず 自分の頭で整理してください。
第1に、20〜30年単位で資金を寝かせられるか。
途中解約は基本的に大きな損失になります。
第2に、円高局面でも気持ちが折れないか。
1ドル130円・120円台に戻る局面が来ても、長期保有を続けられるメンタルが必要です。
第3に、IFAの素性は確かか。
日本国内には香港保険を装った詐欺商品の紹介もあり、ロイヤルロンドン・フレンズプロビデント関連のトラブルも多発しています。
第4に、香港渡航の現実性。
契約時だけでなく、満期受取・解約・契約者変更のタイミングでも香港訪問が必要になることがあります。
第5に、家族・配偶者と方針を共有しているか。
世代承継機能を活かすためには家族の理解が不可欠です。
9. 2026年に香港保険を検討する人へのアドバイス
2026年5月現在の環境を整理すると、円安はやや一服したものの依然として150円台後半で、円建て資産だけに偏ったポートフォリオの脆弱性は誰の目にも明らかな状況です。
一方で香港の保険会社が提供する商品スペックはここ10年で最高クラス。
長期保有が前提・余剰資金で・ドル建て資産を仕込みたいという条件が揃った契約者にとっては、合理的な選択肢の一つになり得ます。
ただし忘れてはいけないのは、「誰かに勧められて契約する商品ではない」ということです。仕組みを理解し、リスクを把握し、自分の判断で契約することが大原則。
コアメンバーを11年間運営してきた経験からも、安易に勧誘に乗って契約した方ほど後悔しているケースが多いのが現実です。
10. まとめ|香港保険は「正しく使えば」強力なツール
サンライフ・CTFライフは、いずれも財務健全性が高く、長期複利運用ビークルとして魅力的な商品ラインを持つ香港保険大手です。
サンライフはグローバルブランド・通貨切替の柔軟性、
CTFライフは高い返戻率カーブ・周大福グループの強固な経営基盤が強み。
どちらが正解ということはなく、契約者本人の目的・期間・通貨戦略によって選び方が変わります。
香港保険は 「合法だが日本の金融商品取引法の枠外」 という独特の位置づけにある商品です。
だからこそ、正しい知識と冷静な判断が何より大切。
勧誘任せ・噂任せで契約せず、自分の頭で構造を理解してから動くことを、最後に強くお伝えしておきます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。香港保険は日本の金融商品取引法・保険業法の枠外にあるオフショア商品であり、為替リスク・流動性リスク・規制リスク等を十分理解した上で、各自の責任において検討してください。
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