「オフショア積立は、最初の2年だけ多めに積み立てればボーナスがもらえる。3年目からは積立を止めても、あとは複利で勝手に増えていく」
この説明を信じて契約した方からの相談が、いまも届きます。
先に結論を書きます。オフショア積立のボーナスは、運用で増えたお金ではありません。あなたがこれから払う手数料を、契約の入口で先に渡されているだけです。
私は数千万円を騙された経験があり、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営しながら、投資副業サロン「コアメンバー」を12年目まで続けてきました。オフショア積立の相談は途切れたことがなく、その入口として最も多いのが、このボーナスの話です。
この記事では、ボーナスと初期口座手数料がどこで相殺されるのかを数字で並べ、「2年でボーナス」という勧誘の中身と、自分の契約で残高を照合する手順を説明します。
【2026年 最新追記】
オフショア商品は、会社ごとに新規契約の可否や条件が大きく変わります(例:RL360は2026年5月に日本人の新規受付を停止)。本記事は当時の情報を含むため、最新の契約可否・条件は必ずご自身で確認してください。
結論|オフショア積立のボーナスの正体は「手数料の先付け」
オフショア積立には、契約初期の一定期間(初期口座期間、初期ユニット期間などと呼ばれます)に積み立てた金額に応じて、保険会社からボーナスが上乗せされる商品があります。紹介者はここを最大の売り文句にします。
はっきり言いますが、ボーナスなんて「手数料の先付け」です。保険会社がお金をプレゼントしているのではありません。初期口座期間が終わった後に手数料としてたっぷり徴収される前提で、先に積んで見せているだけです。
それは初期口座の扱いを見れば分かります。契約初期の18〜24か月分の積立金は「初期ユニット」として隔離され、初期口座期間中に解約すると返戻金はゼロという商品があります。その積立金の大部分が、運用ではなく紹介者への報酬の原資として先に出ていくからです。
その報酬も小さくありません。よく知られている例では、月5万円・10年積立の契約で、紹介者には積立額10か月分にあたる50万円が前払いされます。あなたのお金が1円も運用されていない段階で、紹介者の口座には現金が入っているのです。会社別の手数料と紹介者報酬は【2026年6月最新・暴露】RL360・メティス香港・ドミニオン・インベスターズトラストを未だに勧誘してくる人間は『詐欺師同然』|紹介者コミッション50万円超のカラクリを完全公開に整理しています。
ボーナスも紹介者報酬も、原資はあなたの積立金です。ボーナス付与分と実際の運用成績を混ぜて見てはいけません。
数字で見る|ボーナスと初期口座手数料はどこで相殺されるか
言葉だけでは腑に落ちないので、RL360を例に計算します。
前提となる手数料
- 初期ユニット手数料:初期口座に隔離された残高に対して年6%。これが満期まで続きます
- 口座管理費:年1.5%
- 貯蓄口座のマネジメントフィー:年1%
- 貯蓄口座の月額固定費:月7.5USドル(積立停止時は月11.25USドルに増額)
- 初期口座期間中の解約は返戻金ゼロ
注目は一番上です。初期ユニット手数料の年6%は、2年で終わりではなく満期まで毎年かかり続けます。ここを説明されずに契約した人が本当に多い。
月5万円を2年積み立てた場合の相殺計算
月5万円を24か月積み立てると、初期口座に入るのは120万円です。この残高が変わらないと仮定した単純計算で、初期ユニット手数料は年7万2,000円かかります。ここに、契約書に書かれたボーナス付与額を当てはめてください。
- ボーナスが12万円なら、およそ1年8か月で相殺
- ボーナスが24万円なら、およそ3年4か月で相殺
- ボーナスが60万円なら、およそ8年4か月で相殺
そして30年契約なら、初期口座期間の後も残り28年間、この年7万2,000円が引かれ続けます。単純に足すと201万6,000円。初期口座に入れた120万円の1.6倍を超えます。
しかもこれは初期ユニット手数料だけの話で、実際には口座管理費の年1.5%、マネジメントフィーの年1%、月額固定費が別にのしかかります。どれだけ大きなボーナスをもらっても、時間さえ経てば必ず追い抜かれる設計だということです。
※残高を固定した単純計算です。実際の残高は運用成績や為替で変動し、将来の成果を保証するものではありません。付与率は商品ごとに違うので、必ず契約書でご確認ください。
積立を止めると、相殺のスピードはさらに上がる
紹介者が勧めるとおり3年目で積立を止めると、この相殺は一段と速くなります。
ひとつは固定費です。貯蓄口座の月額固定費は、停止した瞬間に月7.5USドルから月11.25USドルへ増えます。止めたほうが高くなるのです。
もうひとつは負担割合です。積立を続けていれば拠出額が積み上がるぶん手数料の負担割合は下がりますが、止めると拠出は増えないのに手数料だけが引かれ続けます。2年だけ積み立てて減額や停止をしてしまうと、支払手数料の負担割合が増えて、ボーナスでもらった分以上に、積み立てた元本までどんどん減っていきます。口座管理手数料は積立を止めても発生し続ける、ということです。
「2年でボーナス」という勧誘が現場で使われていた話
この売り方は私の想像ではありません。当時、スカイプレミアムという団体に所属するネットワーカーのクレーム相談が、ものすごい数で届いていました。決まり文句がこれです。
「2年積立るとボーナスが貰えるお得な積立がある」
この一言で、地元の同級生や友達を言葉巧みに勧誘し、RL360を極めて不利な条件で契約させていました。金融の知識がない相手を選んで声をかけ、契約を取ったうえに月会費まで徴収していると聞いたときは、開いた口がふさがりません。詳細は【注意喚起】スカイプレミアムという団体所属のネットワーカー達がRL360積立被害者を拡大させているに書いています。
別の相談者が紹介者から聞いた説明として覚えていたのは、たった4つでした。
- ボーナスがたくさん貰える
- 30年契約
- 初期口座期間だけ頑張る
- 2年間で積立停止
商品の説明も他社との比較も一切なし。初期口座期間に多額を積めばボーナスがたくさん付き、そのボーナスも運用に回るから3年目以降は止めればいい。そう言われて契約させられていたわけです。
なぜ「2年」にこだわるのか。紹介者の報酬は契約時に前払いされ、初期口座期間さえ埋まれば、あなたがその後どうなろうと自分の懐は痛まないからです。積立停止ありき、ボーナスありきで紹介している時点で、その人が誰の利益を見ているかは決まっています。同じ手口はRL360の紹介者が積立停止を前提に営業している件でも詳しく書きました。
実話|3年目から右肩下がり、気づくのは4年目
紹介者に言いくるめられ、オフショア積立を不利な条件で契約された方は、最初の2年間の初期口座期間だけより高額の積立てを行い、3年目から積立停止して、後の23年間は高利回りと複利で魔法のようにお金が増えていってくれると信じ込んでいます。
実際は、ものの見事に3年目から資産残高が右肩下がりで減少していきます。
ところが最初のうちは、保険会社からのボーナス付与で増えた分が食われていくだけなので、気づかない人が多いのです。そしてボーナスが食い尽くされ、実際に支払った金額以下になってきて、ようやく気付きます。自分の積立方が間違いだった事、私は紹介者に騙されたんだという事を。
その頃には積立を開始して4年ほどが経過しているので、当時の紹介者とは連絡が取れなくなっている事がほとんどです。悪質な人間は逃げ足も早いですからね。
厄介なのは、その手前の段階です。ボーナス付与で増えた分を「実際の運用で増えた」と勘違いしている人が多く、悪質な紹介者はこれを材料に「こんなに増えてますよ。私が言った事は嘘ではないでしょう」と、運用が大成功しているかのように言いくるめようとします。
ところがよくよく調べてみると、運用は最初からマイナスで、ボーナスで増えた分だけが若干プラスになっているというケースが本当によくあります。
今日やること|ボーナス分を足して、いまの残高と照合する
「自分の契約は大丈夫だろうか」と思った方は、今日この手順で確認してください。契約書類さえあれば30分で終わります。
- 契約書類をそろえ、商品名・契約日・初期口座期間・月額・契約年数を書き出す
- 契約書やパンフレットで、初期口座期間のボーナス付与率を確認する。各保険会社の付与率は少し調べればわかります
- これまで実際に積み立てた金額の合計を計算する
- 「積立合計+ボーナス付与分」を出す。運用が横ばいなら残っているはずの金額です
- いまの資産残高と照合する
積立開始から1年程度でも運用の実態は見えます。残高が「積立合計+ボーナス付与分」を下回っていれば、運用そのものはマイナスで、ボーナスが見かけを埋めているだけです。
そのうえで、いま解約したらいくら戻るのかという解約見積もりを取り寄せてください。依頼先は紹介者ではなく、契約書類に記載されているIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー。契約者と運用会社の間に入る窓口の会社です)本体です。紹介者はIFAの下請けにすぎず、直接やり取りすれば運用状況の確認も減額も解約手続きも進められます。
危険なセールストークの見分け方は「放置でOK」は悪徳IFA確定の5サインにまとめています。
注意点|ここを間違えないでください
1. 照合は「運用の答え合わせ」であって、解約の判定ではない
残高がボーナス込みの金額を下回っていても、それだけで即解約が正解とは限りません。年齢、残存期間、返戻金額で答えは変わります。
私が当時、契約して間もない方に即刻のプラン解約を勧めたのは事実です。初期口座期間中に解約すればそれまでのお金は1円も返ってきませんが、無理して積み立てて2年以降に停止するくらいなら、いま損切りした方が損失は少なくて済むからです。ただし契約内容と残された年数を見たうえでの話です。
2. 商品そのものと、売り方は分けて考える
RL360の商品を契約する事自体は、全然構いません。詐欺でもありませんし、信頼できる保険会社である事は間違いありません。問題なのは、この商品を紹介する日本国内のブローカーや紹介者です。「2年間だけ契約していたら資産が増えていく」「毎年の運用利回りが10%以上」と嘘をついて契約を取っている人間がいます。
3. 正しい向き合い方は「止めない・減らさない」
オフショア長期積立商品は、契約期間を年齢やライフプランに応じて決め、最初に設定した積立金は満期まで停止も減額もしないのが正しい認識です。3年目以降も変わらない積立を続けるからこそ手数料の負担割合が減り、多少の値動きがあってもドルコスト平均法(毎月一定額を買い続けて購入価格を平準化する方法)の効果が発揮され、資産が堅実に増えていきます。
逆に言えば、満期まで払い続けられない金額で契約してはいけないということです。ボーナス目当てで無理な金額を設定させようとする紹介者には、くれぐれもお気をつけ下さい。
4. 税務は必ず専門家に確認する
解約や減額にともなう税務の扱いは、必ず税理士または税務署にご確認ください。私は販売も勧誘も一切行っておらず、仕組みと数字だけを書いています。
まとめ|ボーナスと運用は、絶対に混ぜて見ない
- ボーナスは運用の成果ではなく、後から徴収される手数料の先付けである
- 初期ユニット手数料の年6%は満期まで続くため、ボーナスは必ず相殺される
- 3年目で積立を止めると固定費が上がり、負担割合も増えて元本まで削られる
- 「積立合計+ボーナス付与分」と現在の残高を照合すれば、運用の実態が見える
ボーナス分を運用成績だと思い込んでいる限り、残高が減っていることに気づけるのは4年後です。そして4年後には、紹介者はもう電話に出ません。気づいた時点で手を打てば、損失の拡大は止められます。まずは契約書類を出して、数字を並べてください。
副業・投資の判断に迷ったら
私は数千万円を騙された経験と、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営してきた立場から、副業と投資の「本物と偽物」を見極める物差しをお伝えしています。
※販売・勧誘・譲渡のお取次は一切行っていません。







