当ブログにも多くの読者から、
「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)を変更したい」
という相談が寄せられています。
フレンズプロビデント、スタンダードライフ、
RL360(ロイヤルロンドン)、インベスターズトラスト
などのオフショア長期積立保険では、
プラン運用管理を担当するIFAを変更(移管)することは可能です。
しかし、その移管理由が単に「運用成績が悪いから」というだけでは、
期待はずれになる可能性が高いのです。
運用実績だけでIFAを変更すべきではない理由
過去の実績は将来の成果を保証しない
例えば、あなたの長期積立商品の運用成績が
2年連続でマイナスになったとしましょう。
長期積立商品は基本的な手数料率が高いため、運用がマイナスになると
運用損と手数料損のダブルパンチで資産評価が大きく下落します。
「2年連続マイナス運用とは許せない!IFAを変更したい!」
と思われる気持ちは理解できます。
しかし実際に移管しても・・
- 移管先のIFAの運用も赤字続きとなるリスクがあります
- 「過去5年間で10%以上のプラス運用」という実績で移管したのに、移管直後からマイナス運用が続くケースも少なくありません
- 移管前のIFAが、その後3年連続のプラス運用に転じる可能性もあります
運用実績は各社で大差ない現実
優秀なファンドマネージャーの転職は金融先進国では日常茶飯事であり、
過去の運用実績は当てにならないことが多いのです。
実際、これらのオフショア長期積立商品における近年の運用利回りは、
- どのIFAも似たような結果になっている
- プラス運用でもベンチマーク(市場平均)以下の成績
- マイナス運用の場合はベンチマーク以上の損失を出していることが多い
「RL360を25年契約すれば、将来はこれだけの資産が築けます!」
と右肩上がりの嘘のグラフを見せられ、
「これで将来の年金資産は安泰だ!」と勘違いしがちですが、
現実的には積み立てた金額がトントンかわずかなプラスで戻ってくれば御の字
と考えておくべきでしょう。
運用成績改善を主目的としたIFA移管はお勧めしません。

IFA移管を検討すべき2つの正当な理由
ではどのような場合にIFA移管を検討すべきなのでしょうか?
主に以下の2つの理由が考えられます。
1. カスタマーサポートの質が著しく低い場合
適切な契約後のサポート体制は非常に重要です。
以下のような問題がある場合、移管を検討する価値があります。
- 住所変更や運用スタイル変更の申請に対し1週間以上返信がない
- 意味不明な日本語で対応される
- 問い合わせに対して誠意ある対応が見られない
具体的にどのIFAかをここでは名指しできませんが、
香港拠点のIFAでもクレームの多い会社はあります。
中には契約者自身が
どこのIFAと契約しているか把握していないケースもあり驚きです。
緊急対応が必要な場合、IFAに迅速に動いてもらわなければ手続きが滞り、
契約者が不利益を被ることになります。
カスタマーサポートの質に問題がある場合は、IFA移管を真剣に検討すべきでしょう。
2. 紹介者との関係を見直す必要がある場合
紹介者との縁を切りたいという相談も多く寄せられています。
端的に言えば、紹介者が不誠実だった、あるいは悪質なFPだったというケースです。
悪質な紹介者やFPは、
- 契約者を単なる収益源としか見ていない
- オフショア長期積立を不利な条件で契約させた後、投資用ワンルームマンションを勧める
- 怪しい私募投資案件への契約を迫る
- 新規契約の獲得にのみ注力し、契約後のサポートは疎かにする
こうした不誠実な紹介者との関係を断ち切るためにも、
IFAの変更を検討する価値があります。

よくある質問(FAQ)
Q1: IFA移管にはどのような費用がかかりますか?
一般的に移管自体の手数料はかかりませんが、新しいIFAによっては新たな手数料体系が適用される場合があります。移管前に必ず確認しましょう。
Q2: IFA移管の手続きはどのくらい時間がかかりますか?
通常1〜2ヶ月程度ですが、現在のIFAの対応やプロバイダーによって異なります。
スムーズな移管のためには両方のIFAの協力が必要です。
Q3: 移管後にポートフォリオの内容は変わりますか?
新しいIFAが異なる投資方針を持っている場合、ポートフォリオの見直しを提案される可能性があります。ただし、最終決定権は契約者にあります。
まとめ:IFA移管を成功させるためのチェックリスト
フレンズプロビデント、スタンダードライフ、
RL360(ロイヤルロンドン)、インベスターズトラストなど
長期積立商品のIFA移管を検討する際は、以下のポイントを確認しましょう。
- 移管の理由が「運用成績」だけでないか再確認する
- 新しいIFAのカスタマーサポート体制について事前に調査する
- 連絡対応の速さ、日本語対応の質を確認する
- 移管後のサポート内容を明確にしてもらう
- 契約内容の変更がないか確認する
IFA移管は運用成績向上のためではなく、
カスタマーサポートの質向上と不誠実な紹介者との関係解消
を主な目的として検討することをお勧めします。
賢明な判断で、大切な資産を守りましょう。