「この商品は元本保証です」
「元本確保型だから安心してください」
この2つの言葉の違いを、あなたはすぐに説明できるでしょうか。
私は数千万円を騙された経験があり、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営しながら、投資副業サロン(コアメンバー)を運営して12年目になります。その中で、お金を失った人の話を数え切れないほど聞いてきましたが、被害の入口はいつも同じです。「保証」と「確保」を同じ意味だと思ったまま契約書にサインしているのです。
言葉は似ていても、その本質は全く違います。この記事では、元本保証と元本確保の違いを定義から整理したうえで、「元本確保が外れる瞬間」と「金融機関以外が元本保証を謳ったら詐欺を疑うべき理由」まで、番人の立場でまとめます。金融商品を買う前に、言葉の意味だけは正確に持っておいてください。
【2026年 最新追記】
インベスターズトラスト(エボリューション等)は2026年現在も契約可能ですが、長期前提・途中解約時のペナルティに注意が必要です。
結論:元本保証は銀行預金だけ、元本確保は「条件付きで戻る」
先に結論を書きます。
- 元本保証=文字通り「元本がいつでも保証されている」状態。私の知る限り、どんな条件下でも元本が揺るぎ無く保証されているのは銀行預金以外にありません
- 元本確保=一定の条件を付けた上で元本が償還される状態。条件を満たさなければ元本は戻りません
違いは「いつでも」か「条件付きか」の一点です。ここを混ぜて説明してくる相手は、知識が無いか、わざと混ぜているかのどちらかです。どちらにしても、その人からお金の商品を買ってはいけません。
元本保証とは何か|銀行預金だけが持つ性質
元本保証とは、文字通り「元本がいつでも保証されている」という意味になります。
銀行預金は、為替の影響で円としての価値が下がったとしても、その元本(貯金額)はピクリとも変わらず保証されています。100万円を預ければ、明日も来年も、通帳の数字としての100万円は100万円のままです。
ただし「無条件」ではなく、預金保険制度の上限がある
とはいえ、銀行預金にもたった1つだけ枠があります。預金保険制度(いわゆるペイオフ)です。金融機関が破綻した場合に保護されるのは、一般的な預金であれば1つの金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円とその利息までとされています。
つまり厳密に言えば、元本保証が最後まで効くのはこの範囲までです。まとまった退職金や相続資金を1行にまとめて置いている人は、金融機関を分けるという発想を持っておいてください。制度の詳細や自分の預金が対象になるかどうかは、取引先の金融機関に必ず確認してください。
逆に言えば、これほど守られている銀行預金ですら「1,000万円まで」という線引きがあるのです。金融機関ですらない相手が、無条件・無制限の元本保証を約束できるはずがありません。
元本確保とは何か|国債・社債・元本確保型ファンドの実際の条件
元本確保とは、一定の条件を付けた上で元本が償還される状態の事を言います。
国債や社債などが良い例です。償還期限まで持っていれば元本は確保されますが、国がデフォルトしたり社債を発行した会社が倒産すれば、元本は確保されずに損失を被るという事になります。
ここで押さえてほしいのは、元本確保には必ず「誰が」「いつまで」「何をしたら」戻すのかという3点セットが付いているという事実です。
- 誰が=返す側(国、発行会社、保険会社、運用会社)。その相手が支払えなくなれば確保は消える
- いつまで=償還期限。途中で換金すればその時の時価であり、元本割れもあり得る
- 何をしたら=満期まで保有する、積立を止めない、引き出さない、といった契約条件
元本確保型ファンド・仕組債の場合
ITAのS&P500という商品も元本確保型です。契約途中の減額や停止、引き出しが無い状態で且つ投資機関が支払不能に陥った場合は元本は確保されません。
また一般的に、仕組債のように「参照する株価や指数が決められた水準を下回らなければ元本が戻る」という設計の商品もあります。条件を満たす限りは確保されますが、条件を外れた瞬間に元本は削られます。これは保証ではなく、あくまで条件付きの約束です。
身近な例を挙げると、iDeCoでも運用商品として元本確保型の定期預金を選ぶことができます。制度そのものの仕組みや手数料はiDeCo(個人型確定拠出年金)完全ガイドにまとめていますので、あわせて確認してみてください。
「確保」が外れる4つの瞬間
元本確保型でお金を失う人は、商品を間違えたのではなく条件を外したのです。外れ方は、だいたい次の4つに集約されます。
- 途中で減額した:積立額を下げた時点で、当初の条件から外れる契約がある
- 途中で停止した:家計が苦しくなって積立を止めた瞬間に確保が消える
- 途中で引き出した:一部でも引き出せば、満期まで持ち切るという前提が崩れる
- 返す側が支払不能になった:国のデフォルト、発行会社の倒産、投資機関の支払不能
特に長期の積立商品では、上の3つは「人生の都合」で普通に起こります。転職、収入減、病気、子どもの学費。15年、20年という期間を、条件を一度も外さずに走り切れるかどうかを、契約前に冷静に見積もってください。長期前提の商品は、途中解約時のペナルティも重くなりがちです。
金融機関以外が元本保証を謳ったら、まず詐欺を疑う
元本保証を謳っている投資詐欺も多く存在します。
金融機関以外が元本保証・元本確保を謳っていれば、それは間違いなく詐欺案件ですので、くれぐれもご注意下さい。私が過去に名前を伏せて書いてきた業者も、この型でした。
判定基準はシンプルです。次のどれかに当てはまったら、その場で財布を閉じてください。
「元本保証」が出てきたら確認する5項目
1. 相手は金融機関か。銀行・証券会社・保険会社といった登録を受けた事業者か
2. 元本保証と元本確保を混ぜて説明していないか
3. 「元本保証で年◯%」と、保証と高い利回りをセットで語っていないか
4. 保証の中身が契約書・約款など書面に書かれているか。口頭やLINEだけではないか
5. 誰が返すのか(返す主体)が特定できるか
3番目は特に重要です。元本が絶対に減らない代わりに、銀行預金の金利は極めて低い。これは当たり前の話で、リスクを取らないから見返りも小さいのです。元本保証と高利回りは、原理的に同居しません。同居していると言われたら、その差額は誰かの財布から出ています。多くの場合、それは後から入ってきた出資者のお金です。
「確実に儲かる」と友人や知人から持ちかけられる話ほど断りにくいものはありません。この入口の危険性については新社会人のための金融リテラシー向上ガイドにも書いていますので、社会に出たばかりのお子さんがいる方は読ませてあげてください。
私が数千万円を失って学んだこと
私自身、数千万円を騙された経験があります。
当時を振り返って一番悔しいのは、難しい金融工学が分からなかったから負けたのではない、という点です。負けた理由は、言葉の定義を確かめなかったことです。相手が言う「安心」「保証」「元本は守られます」を、自分の頭の中で勝手に銀行預金と同じ意味に翻訳してしまった。それだけです。
だから私は、コアメンバーで相談を受けるときも、必ずこの質問から入ります。
「それは誰が、いつ、どんな条件で返してくれるお金ですか」
この一問に紹介者が即答できなければ、その案件は前に進めません。答えられないということは、その人自身が中身を分かっていないということだからです。分かっていない人から買った商品で、あなたのお金が守られる道理はありません。
今日やること|3分でできる自己点検
知識として覚えるだけでは意味がありません。今日のうちに、次の3つを手を動かして確認してください。
- 手元の商品を仕分ける:いま持っている金融商品を「元本保証(銀行預金)」「元本確保(条件付き)」「値動きするもの」の3つに紙で分ける
- 条件を書き出す:元本確保に分類したものについて、返す主体・満期・外れる条件の3点を契約書から書き写す。書けないなら、それはまだ理解していない証拠
- 止めたらどうなるかを聞く:積立型なら「減額・停止・一部引き出しをしたら確保はどうなりますか」と販売元に文章で質問し、文章で回答をもらう
3番目を口頭で済ませないでください。文章で残っていれば、後で話が違うとなったときの唯一の証拠になります。
注意点|元本が戻っても、増えていないことがある
元本確保という言葉には、もう1つ落とし穴があります。元本が戻ることと、資産が増えることは別だという点です。
手数料が高い商品は、条件を守り切って元本が戻ってきても、その間の時間とコストの分だけ実質的に目減りします。まとまった資金を持つ世代が狙われやすい高コスト商品の構造はシニア世代のための資産運用ガイドで詳しく書いていますが、購入時手数料や信託報酬などを合算すると年間3〜5%のコストになることも珍しくありません。
もう1つ、「毎月お金が戻ってきている」ことを利益だと勘違いするパターンもあります。毎月分配型の投資信託では、運用益が足りない分を元本から払い戻す元本払戻金(特別分配金)が含まれることがあり、これは自分の元本が戻ってきているだけです。この仕組みはプラチナNISAの解説記事で詳しく整理しています。
さらに、円建てで元本が確保されていても、外貨建ての商品なら為替で受取額は変わります。「元本が減っていない」という言葉が、あなたの生活実感としての購買力まで守ってくれるわけではないということは、頭の隅に置いておいてください。
なお、税金の扱いは商品や受け取り方によって変わります。個別の判断は税理士や税務署に確認してください。運用の成果を保証するものでもありません。
まとめ|元本保証と元本確保の違いは、金融知識の基本中の基本
最後にもう一度整理します。
- 元本保証は「いつでも」元本が守られる状態。実質的に銀行預金だけであり、それでも預金保険で保護される範囲には上限がある
- 元本確保は「一定の条件を満たせば」元本が償還される状態。国債・社債・元本確保型ファンドなどが該当する
- 途中の減額・停止・引き出し、そして返す側の支払不能で、確保は簡単に外れる
- 金融機関以外が元本保証・元本確保を謳っていれば、それは間違いなく詐欺案件
元本保証と元本確保の違いは金融知識の基本中の基本です。似て非なる性質を持っていますので、しっかりと覚えておいて下さい。
そして、この言葉を正しく使えない相手からは何も買わない。これだけで、あなたが失うはずだったお金の相当な部分が守られます。私が数千万円を払って学んだことを、あなたは今日、無料で受け取ってください。
副業・投資の判断に迷ったら
私は数千万円を騙された経験と、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営してきた立場から、副業と投資の「本物と偽物」を見極める物差しをお伝えしています。
※販売・勧誘・譲渡のお取次は一切行っていません。
インベスターズトラストは解約すべき?手数料と元本割れの仕組みを解説
エボリューション積立を放置していたらプランが失効した
ITAの途中譲渡や解約手続きには必ず当時の紹介者署名が必要ですので紹介者と疎遠にならない方がいい2015年から続くコミュニティ「コアメンバー」の無料相談です。いまの状況を伺い、取り組みの候補をお返事します。
パソコンの方は、スマホのカメラで読み取るとLINEが開きます































