郵送による海外銀行口座開設の危険性
「郵送で簡単に海外銀行口座が開設できます!」
というような勧誘をするブローカーや業者が存在しています。
かつてはHSBC香港などでも郵送での口座開設が可能でしたが、
現在では厳格な本人確認の要件により、郵送開設は不可能となっています。
郵送での口座開設が便利に思えるかもしれませんが、
重要なのはその銀行の信頼性です。
HSBC香港やシティバンクのような世界有数の巨大銀行とは異なり、
フィリピンのイースタンリザールやオウンバンク、
さらに新たに問題となっている「アジアンバンク」などの小規模銀行や、
経済規模の小さな国の銀行に、口座を開設することのリスクは非常に高いです。
アジアンバンク(Asian Bank)について
「アジアンバンク」は近年、
日本人投資家向けに積極的な勧誘活動を行っていることが確認されています。
この銀行については以下の深刻なリスクが懸念されます。
- 規制当局の監視不足: 金融監督当局からの適切な監視を受けていない可能性があり、金融犯罪やマネーロンダリングのリスクが高い
- 資金保全の不確実性: 預金保険制度が不十分または存在せず、銀行破綻時に預金が保護されない恐れがある
- 透明性の欠如: 経営状況や財務状態が不透明で、顧客資産の管理状況が確認できない
- 不正アクセスのリスク: オンラインバンキングシステムのセキュリティ対策が不十分で、不正アクセスのリスクが高い
- 出金困難: いざというときに資金引き出しが困難になるケースが報告されている
これらの銀行が「高金利定期預金」を強調して勧誘するケースが多く見られますが、
年5%や10%といった高金利の裏には相応のリスクが隠されています。
海外銀行選択の注意点
海外銀行の口座を開設する際には、以下の点に留意すべきです。
- 現地訪問が必須: 信頼できる銀行口座開設は現地に実際に赴き、国の経済状況や銀行の実態を直接確認することが重要です
- サポート体制の確認: トラブル発生時に対応できるサポート体制が整っているか確認してください
- 言語対応: 問題発生時に自分で対応できる語学力があるか、または適切な通訳サービスがあるか確認しましょう
- 金融当局の監督: その銀行が信頼できる金融当局の適切な監督下にあるかどうかを調査することが重要です
ブローカーや業者に依存した口座開設は、トラブル発生時に対応が困難になります。
特に遠隔地の小規模な銀行との交渉は、語学力や交渉力が要求されるため、
多くの日本人にとって大きな障壁となるでしょう。
まとめ
海外銀行口座開設は、便利さだけでなく安全性を最優先に考えるべきです。
HSBC香港などの大手銀行であれば、世界的な巨大企業という安心感があり、
安全性の高い金融商品も提供しています。
「高金利」という甘い言葉に惑わされず、銀行の信頼性、国の経済状況、
自分自身の対応能力を冷静に判断することが重要です。
マネーリテラシーを高め、
安易な判断で大切な資産を危険にさらさないようにしましょう。
銀行口座開設は郵送ではなく現地訪問が必須という原則を忘れないでください。
特に「アジアンバンク」などの実態が不明確な銀行には細心の注意が必要です。