「メルカリのアカウントを貸すだけで、月に数万円のお小遣いになる」
この手の話を副業サロンやSNSで持ちかけられて、「これって違法なの?」と検索してここへたどり着いた方が多いのではないでしょうか。
先に結論をお伝えします。メルカリのアカウント名義貸しは、やめておきなさい。
私はこれを、愚の骨頂だと考えています。
私は投資副業サロン(コアメンバー)を12年目まで続け、累計500名を超える会員の相談を受けてきました。大阪府知事認可の不動産会社を20年経営し、自分自身も数千万円を騙された経験があります。その立場から、名義貸しという副業がどれだけ割に合わないかを、実際に私の元へ届いた報告をもとに書きます。
この記事では、名義貸しが「違法かどうか」以前になぜ危険なのか、同じサロンで手口がどう繰り返されてきたのか、すでに貸してしまった人が今日やるべきことまで整理します。
結論:名義貸しは「合法か違法か」で考える時点で負けている
ある副業サロンで、メルカリアカウントを貸し出して小遣いを得る方法という、情報弱者騙しの勧誘が行われたそうです。
普通に考えて、メルカリのアカウントを第三者に貸すなどあり得ない行為です。
ところが、善か悪か、合法か違法かも分からない情報弱者がこぞって参加した結果、偽ブランド品の出品に使われて、アカウント凍結が相次いでいるとのことです。
本末転倒、自業自得、身から出た錆ですね。
もはや、お笑いサロン、違法スレスレサロンと呼んだ方がいいでしょう。
検索している方が本当に知りたいのは「逮捕されるかどうか」だと思います。しかし、そこだけを見て判断するのは危険です。
名義貸しは、逮捕されるかどうか以前に、まずプラットフォームの利用規約に違反する行為です。フリマアプリやデリバリーの仕事は、いずれも「本人が使うこと」を前提に登録されています。アカウントを他人に貸したり売ったりすることは、一般的に規約で認められていません。
そして規約違反は、警察の判断を待たずに、その場でアカウントを止められる理由になります。誰かに訴えられるまでもなく、あなたの側だけが先に失うのです。
覚えておいてほしい考え方
「違法だと立証されていない」ことと、「安全である」ことはまったく別物です。名義貸しは、報酬が月に数万円という規模なのに対して、失うものはアカウントと信用、場合によってはお金の請求です。割に合うかどうかで判断してください。
名義を貸した人が背負い込むリスクを整理する
名義貸しの相談を受けるたびに、私はこう聞きます。「あなたのアカウントで、誰が、何を売るのか、把握していますか」と。
ほぼ全員が答えられません。把握できないものに自分の名前を貸す。これがどれだけ危うい話か、順番に整理します。
1. アカウントの凍結と、そこに残ったお金
実際に起きているのが、これです。貸したアカウントが偽ブランド品の出品に使われ、凍結される。
凍結されれば、そこにある売上金にも手が届かなくなる恐れがあります。規約違反が原因である以上、こちらから強く返還を求めるのも難しくなります。
しかも、失うのはその1アカウントだけとは限りません。同じ本人確認情報で作り直そうとしても通らず、そのサービスから事実上締め出される形になります。
2. 偽ブランド品を売られたときに、名義人が置かれる立場
ここが最大の問題です。偽ブランド品を売る行為は、一般論として、他人の商標権を侵害する行為にあたり得ます。
そして買った人から見れば、売ったのはアカウントに表示されている名義人、つまりあなたです。トラブルになったとき、最初に説明を求められるのもあなたになります。
「私は貸しただけです」で全部が終わるとは限りません。少なくとも、自分のアカウントで何が売られたのかを説明する立場に立たされます。実際にどう扱われるかは個別の事情によって変わりますので、心当たりがあるなら早い段階で弁護士に確認してください。私は弁護士ではありませんので、ここで断定はしません。
3. 損害賠償を請求される可能性
これはメルカリに限った話ではありません。同じサロンでは、出前館のアカウントの又貸しも行われていました。出前館自体がアカウントの又貸しに対して注意喚起をしており、最悪の場合、アカウント名義人に対して莫大な損害賠償が請求されるリスクがあります。
詳しくは別記事にまとめています。
4.「弁護士のリーガルチェックは終わっています」という決め台詞
勧誘の現場では、こう言われるそうです。
「弁護士のリーガルチェックは終わってます!」
そんな言葉を信じるバカは、どこのどいつだい?
まともな弁護士なら、規約違反でリスクが高いお小遣い稼ぎにOKを出しませんよ。
もしこの台詞を言われたら、その場で聞き返してください。「どの弁護士事務所の、誰が、何について問題ないと言ったのですか」と。書面はありますか、と。
まず出てきません。出てこない時点で、その話は終わりです。
出前館の次はメルカリ、同じサロンで繰り返された手口
私がこの件を「一度きりの事故」だと思っていない理由は、同じ場所で同じことが繰り返されているからです。
- 出前館アカウントの又貸し。日本国内での外国人不法就労を助長する形になり、名義人が損害賠償を請求されるリスクを抱えました
- メルカリアカウントの名義貸し。偽ブランド品の出品に使われ、アカウント凍結が相次ぎました
- 高利回りFXの案件。信用して参加した会員が50万円から100万円以上の損失を被っています
- 暗号資産関連の投資。会員集めをしている人物が、次はこれを匂わせているようです
並べてみれば分かります。案件が変わっているだけで、構造は何も変わっていません。常に、リスクを負うのは会員で、報酬を得るのは紹介する側です。
そして、私がここで一番言いたいのはこれです。管理者もブローカーも、そんな低レベルな副業はやっていませんよ。
紹介マージンを稼いで自分たちだけ豪華な食事、美女と旅行三昧です。
そんな生活に憧れて入ったのかもしれませんが、あなたたちはカモとして搾取されているだけです。
「上位サロンに行けばもっと稼げる」という段階課金の構造
名義貸しの勧誘には、必ずと言っていいほど続きがあります。
「もっと情報を知りたければ、金を出して上位サロンへ」
これが本命です。名義貸しそのものは、入り口にすぎません。月に数万円という小さな報酬で「本当に振り込まれた」という体験をさせ、この人たちは信用できると思わせる。そのうえで、より高額な会費や講座へ引き上げていく。順番が計算されています。
入り口が安いほど危険だと考えてください。私が別記事で検証した月額制サロンも、月額数千円という手頃さと返金不可の組み合わせが引っかかる点でした。
そして階段の上には、数十万円から100万円を超える高額スクールが待っています。手元にお金がないと言えば、借金をしてでも払わせようとする事業者がいるのが現実です。せどりのサポート費用として業者から借金を指示され、130万円をだまし取られた被害も報道されています。
「在庫ゼロで月収100万円」高額物販スクールの実態|130万円のローンを組まされる手口と見抜き方
この構造は、今に始まったことではありません。私は10年近く前から同じことを書いてきました。本当に儲かる情報であれば、数万円で不特定多数に売るような事は絶対にしません。儲かるのは売っている側だけで、エンドユーザーは搾取されて終わりです。
今日やること:まだ貸していない人/もう貸してしまった人
まだ貸していない人
やることは1つだけです。断ってください。理由の説明も、相手の説得も要りません。
「規約で禁止されているので、私はやりません」で十分です。まともな相手なら、それで引き下がります。食い下がってくる相手なら、それが答えです。
そして、その話を持ってきた人との距離を見直してください。
もう貸してしまった人
すでに名義を貸してしまっているなら、今日のうちに次の順番で動いてください。
- まず貸すのをやめる。相手に「今日で終わりにします」と伝え、ずるずる続けない
- 自分のアカウントにログインし、出品中の商品と取引履歴を全部確認する。身に覚えのない出品があるかどうかを、自分の目で見る
- パスワードを変更し、ログイン中の端末を切る。二段階認証を設定する
- 勧誘された時のやり取りを保存する。LINEやDMの画面、報酬の入金記録、サロンの投稿。あとから消される前にスクリーンショットで残す
- すでに凍結されている、あるいは請求や警告が届いているなら、一人で抱えない。消費者ホットライン「188」や弁護士など、専門家に相談する
隠したい気持ちは分かります。ただ、放置している間にも、あなたの名義で商品が売られ続けているかもしれません。時間が経つほど、説明が難しくなります。
やってはいけない対応
凍結されたからといって、別の名前や家族の名義で新しくアカウントを作り直すこと。これはさらに規約違反を重ねる行為です。事態を良くする方向には、まず働きません。
名義貸しを勧めてくる人の見分け方
手口の名前は毎年変わりますが、勧めてくる側の言い方はほとんど変わりません。次のどれかが出てきたら、話を止めてください。
- 「アカウントを置いておくだけ」「何もしなくていい」と、作業がないことを売りにしてくる
- 「弁護士のチェック済み」「グレーだけど大丈夫」と、法律の話を相手が勝手に片付けてくる
- 「詳しくは上のコースで」と、肝心なところを有料の先に置いている
- 誰が、何を、どこで売るのかを聞いても、はっきり答えない
- 勧めている本人が、その副業をやっていない
最後の1つが決定打です。本当に安全なら、なぜ本人が自分の名義でやらないのでしょうか。危ない部分だけを他人にやらせて、自分は紹介の報酬だけを受け取る。それが名義貸しビジネスの正体です。
まとめ:メルカリは普通に物販すれば稼げる
悪いことは言わないから、名義貸しなんてやめときなさい。
メルカリは普通に物販するだけで稼げます。名義貸しで稼ぐプラットフォームではありません。
家にある不要品を出すところから始めて、売れる物と売れない物の感覚をつかむ。地味ですが、経験はあなたの手元に残りますし、凍結に怯えることもありません。
月に数万円のために、自分の名前を他人に預ける。その数万円を払っているのは、あなたのリスクを買い叩いている人です。
危険な副業を勧誘するコミュニティは信用しないように。これだけは、繰り返しお伝えしておきます。
※この記事は法律相談ではありません。実際に凍結や請求などのトラブルが起きている場合は、消費者ホットライン「188」や弁護士など、専門家に確認してください。
副業・投資の判断に迷ったら
私は数千万円を騙された経験と、大阪府知事認可の不動産会社を20年経営してきた立場から、副業と投資の「本物と偽物」を見極める物差しをお伝えしています。
※販売・勧誘・譲渡のお取次は一切行っていません。







