思い起こせば1年前、可愛がっていた後輩から突然電話があり「海外での事業資金が少し足りないので貸してもらえないでしょうか?」という事でした。詳細を確認して自分で商売をしている人間でしたし日本国内に店舗も持っていたのでこのくらいなら大丈夫だろうと安易に数百万円を貸してしまいました。
帰国日の翌日に店まで回収に行く約束をしていましたが、帰国当日になって「帰国を延期する」とLINEを受けて以降全く連絡が取れなくなりました。こちらから送るメッセージも既読にならず「これはヤバイかな」と思って後輩の店まで行くと「長期休業します」の張り紙がありこの瞬間騙されたと実感しました。
若い頃に債権回収業務をしていたので、ここから取るべき方法は熟知しているつもりです。すぐに親と兄弟の住所や勤務先を調べ上げて訪問し事情聴取を始めました。親から一部回収しましたが兄弟は金なしだったので断念。次に当時付き合っていた彼女とその実家も調べて訪問しましたが既に別れていたのと、彼女からも相当つまんでいたのでさすがに可哀想になってこのルートも断念。残りは本人から回収しようと思って探していましたが当時国内外を逃げ回っていたので、なかなか捕まえられませんでした。
必死になっていた訳ではないんですが、裏切られた事がどうしても許せないので色んなルートから調べを入れていた所ようやく本人を見つけました。聞くとJACK以外からも相当金をつまんでいて総額1億円は超えそうな勢いです。全員に返すのは絶対に無理だと思いますがJACKの分だけなら返せそうなので他の債権者には居場所を明かさないという条件で全額回収する目処が立ちました。
詐欺案件の被害回復でも同じですが、債権回収の基本は「人の事を考える前に自分の分をまず回収せよ」という事です。被害総額が1億円を超える場合に債務者がその全てを返済する事は絶対に無理ですが数百万くらいなら持っています。それを被害者全員で按分してしまうと自分の分は僅かになってしまうのでそれを全て自分へ回収する気持ちでやるべきだと思います。その為には債権者が集まって行動する団体行動よりも個人(単独)行動がベストですね。
金を貸した相手から返済がない、詐欺案件の運営元から返金がないという悩みを抱えている方はたくさんいらっしゃるかと思いますが少し参考にしてみてください。